あなたは今、筆跡鑑定が必要となり、インターネットで情報を探しているかもしれません。そこで目にする「法科学」「AI鑑定」「多数の実績」といった言葉に、私たちはつい安心感を覚えてしまいます。
しかし、この筆跡鑑定業界には、「鑑定の専門家」と「鑑定を必要とする一般の方々」との間に存在する「情報の非対称性」が、業界の健全性を蝕む深刻な問題として横たわっています。
この「情報の非対称性」を巧妙に悪用する鑑定事務所が存在する限り、「正直者が馬鹿を見る社会」は是正されません。
1. なぜ「情報の非対称性」が筆跡鑑定を蝕むのか?
筆跡鑑定は、国家資格もなく、その科学的根拠や専門性が一般にはほとんど知られていない分野です。この知識のギャップがあるからこそ、以下のような問題が起こり得ます。
- 「見せかけの科学」が真実を覆い隠す: 法科学鑑定研究所 のように、「科学的・統計的手法」を謳いながら、その判断基準に具体的な科学的根拠が皆無である鑑定事務所 が存在します。知識がない依頼者は、複雑な数式や専門用語の羅列を見ることで、その鑑定が科学的であると誤認してしまいます。
- 「見せかけの権威」が不信感を助長する: 「法科学」という名称は、比較的容易に取得できる学会所属 などによって、その実態が伴わないまま利用されていることがあります。また、「裁判所からの鑑定依頼実績が豊富」 という実績も、その鑑定手法の科学性を証明するものではありません。このような「見せかけの権威」に、依頼者や弁護士までもが惑わされ、不適切な鑑定所を選んでしまう危険性があります。
- 「倫理なき言動」がまかり通る: 一部の鑑定事務所は、自らの鑑定手法に疑問を投げかける者を「自称筆跡鑑定人」 と貶めたり、ウェブサイトで公開する情報について「裁判などの資料として使用できない」 と責任を放棄する規程を設けたりしています。このような倫理を欠いた行為がまかり通るのは、専門知識がないために、その不当性を見抜くことが難しいからです。
2. この深刻な現実に、専門家が「メスを入れる」
「情報の非対称性」という根本的な問題を放置すれば、筆跡鑑定の信頼性はさらに低下し、真実が報われない不条理な社会へと向かってしまいます。この悪循環を断ち切るために、私のような専門家が果たすべき使命は、以下の3点に集約されます。
- 「脳科学的筆跡鑑定法」という真の科学を確立する: 私は、筆跡鑑定の根幹が数学ではなく、「脳に刻まれた運動記憶(手続き記憶)」という脳科学の理論にある ことを明確にし、この原理に基づく鑑定法を確立しました。これにより、従来の曖昧な手法では見抜けなかった偽造者の注意力の限界から生じる「線質の不自然な混在」 を客観的な証拠として提示することが可能となりました。
- 「公開検証(試験)」で実力を目に見える形にする: 「筆跡鑑定の信憑性は、個々の筆跡鑑定人の実力を、科学的根拠に基づき目に見える形で証明すればよい」 という信念のもと、私は「公開検証(試験)」を強く提唱しています。この試験によって、鑑定人の「正答率(実力)」が明確になり、従来の鑑定法が抱える不信感を一掃します。
- 「真の情報」を社会全体に発信する: ブログや書籍『筆跡鑑定をダメにした知ったかぶりの輩たち』 を通じて、業界のデタラメな実態、そして正しい鑑定法の優位性を継続的に発信し続けます。これにより、鑑定を必要とする人々が、表面的な言葉に惑わされることなく、真実を見極める力を養えるよう、サポートします。
結論:健全な社会への第一歩
筆跡鑑定業界が抱える「情報の非対称性」の問題は、Google検索のアルゴリズムが「見せかけの権威」に影響され、誤情報を拡散してしまうという、現代社会の構造的な課題と密接に結びついています。
この歪んだ現状を正すためには、専門家が自ら「メス」を入れ、科学的根拠に基づいた透明性の高い鑑定、そして「真の実力」を証明する姿勢を示すことが不可欠です。
真実が報われ、誠実な努力と脳科学に基づいた筆跡鑑定法が正しく評価される社会の実現に向け、私の挑戦は続きます。


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