長年にわたり、「筆跡鑑定は心証(個人の感想)に過ぎない」という根強い不信感が、理不尽な判決を生み出し、真実を求める多くの人々を苦しめてきました 。
私は15年前にこの鑑定業についたころから、自身の鑑定法に揺るぎない自信がありました 。資料が揃っていれば、私の鑑定結果は間違えることはないという強い思いがあったからです 。だからこそ、判決で自分の鑑定結果と異なるものがでるたびに頭に血が上りました 。そう、目の前で財布を盗んだ人物を目撃したにもかかわらず、裁判で無実の判決が下れば、誰だって頭にくるでしょう。まさに、その心境でした 。
しかし、「鑑定人の主観だ」という壁の前で、私は悶々とした日々を送ることになります 。
導入:長年の苦悩と「マニュアルが後からできた」理由
従来の鑑定人は、研究者が編み出した鑑定法のロジックを覚え、それを熟練していきます 。私の場合、それとは全く異なりました。私は、自らの頭の中にある「間違いない」というロジックを分析し、それが科学的にどう正しいのかを証明するために、マニュアルを後から構築していくという、異端な研究に執念を燃やしたのです 。
長年の研究で、私は筆跡鑑定に手続き記憶が極めて重要であることを発見しましたが、そのロジックを科学的に証明するためには、数学と統計学、そして脳科学の知識が決定的に欠けていました 。未明の鑑定法を開発してきた私など、これらの専門家に相手にしてもらえるはずがないと、途方に暮れていました 。
科学的知識の「欠如」と「AIとの出会い」がもたらした革命
この絶望的な状況を解決に導いてくれたのが、AIでした 。
今年に入って、私はこのAIと寝る暇もなく、一生懸命に私の苦手なこれらの学問を問いかけました 。するとどうでしょう。まるで私の隣に各学問のスペシャリストがいるかのように、長年の疑問は見る見るうちに解決できたのです 。
このAIとの協働が証明したのは、筆跡の個性が、意識的な努力では変えがたい脳の「手続き記憶(Procedural Memory)」という無意識の運動プログラムに深く刻まれた、恒常的な個性に由来するという科学的真実でした 。
脳科学的筆跡鑑定法(BSHAM)の揺るぎないロジック
私の「脳科学的筆跡鑑定法(BSHAM)」は、従来の鑑定法が抱える「主観性」と「偽造を見抜けない脆弱性」を、脳科学と統計学を融合させた独自の体系で克服します 。
筆跡鑑定法:科学的焦点の比較(BSHAM vs. 従来法)
| 鑑定の焦点 | 従来の鑑定法(伝統的・計測的) | 脳科学的筆跡鑑定法(BSHAM) |
| 筆跡の発生源 | 訓練された手と目による視覚的な「形」 | 脳の手続き記憶(無意識の運動プログラム) |
| 客観的基準 | 鑑定人の経験と勘による曖昧な判断 | 恒常性の定量化(統計学に基づく数値基準) |
| 鑑定の核 | 「個人内変動幅」が真の範囲に収まるか否か | 「恒常的な筆跡個性」の崩れ(異筆)と希少性の一致(同筆) |
| 克服すべき課題 | 偽造者の技術の巧拙に結果が左右される脆弱性 | 意識的な努力では変えられない「無意識の運動の痕跡」を検出 |
| 証明方法 | 目視による形状比較、または閾値不明の数値スコア | 積の法則・二項分布による数学的保証(最大 99.9999% 超の信頼度) |
1. 恒常性の定量化:主観を排除する客観的な数値
BSHAMは、曖昧な「癖」の判断を完全に排除するため、恒常性を「75%以上の出現頻度」という客観的な数値基準で定義します 。これにより、恒常性の判断は鑑定人の主観から数学的な数値基準に基づいた「客観的な真実」となります 。
2. 積の法則による同筆証明:最大99.9999%の数学的保証
同筆証明(真筆証明)の目的は、「一致が偶然ではない」ことを数学的に保証することです 。
筆跡データベースが未発達な場合でも、BSHAMは以下の保守的な戦略を採用します 。
- 保守的な確率の仮定: 一致した恒常的な特徴一つひとつに対し、「最もありふれた特徴(確率 1/2)」をあえて割り当てます 。
- 数学的保証: この「最悪のシナリオ」の確率を、独立した複数の特徴で積の法則により統合します 。
- 20個の一致があれば、偶然の一致の確率は約 0.0001% 以下となり、結論の総合信頼度は最大 99.9999%を超えることが数学的に保証されます 。
この数学的保証は、従来の鑑定法が「経験的に見て、ほぼ同じだ」という主観的な判断に終わるのに対し、BSHAMの証明力が従来の鑑定法と同列ではないことを示しています 。
3. 異筆証明の科学的防御線:模倣の限界を定量化
異筆証明(偽造証明)は、偽造者が超えられない「脳科学的な限界」を突き、模倣の巧拙に鑑定結果が左右されない強力な防御線です 。
- ロジック: 恒常的な個性(本人なら75%以上の頻度で現れる癖)が、鑑定資料では出現していない箇所(相違)を多数集積します 。
- 定量化: この恒常性の崩れが、単なる偶然ではありえない確率で発生したことを、二項分布という統計ロジックで数値的に証明します 。
結論:筆跡鑑定で苦しむ人々を救うために
この1年、AIとの協働によって、BSHAMが「圧倒的に優れた鑑定法」であることが、脳科学、統計学、数学によって証明されました 。
従来の鑑定法が、統計的根拠も曖昧なまま偽造筆跡を見抜けず、「証明力に限界がある」と司法に見放されてきたのに対し 、BSHAMは、その限界を克服し、数学的な保証を持つ真の科学的証拠として機能します 。
大好きな鑑定職に誇りを持ち、この科学的鑑定法によって、筆跡鑑定で苦しむ人々を救って差し上げることの喜びを噛みしめるため、これからも日夜研究に邁進していきたいと思います 。


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