脳科学的筆跡鑑定法(BSHAM)は、従来の鑑定を排し、数学的保証に基づいた鑑定体系です 。
この科学的な論理に基づき、筆跡鑑定における最大の「矛盾」を解消します。それは、「本人(真筆者)の筆跡である証明はできても、偽造した犯人の特定は極めて難しい」という事実です 。
この難易度の差こそが、従来の鑑定法では説明不能だった、BSHAMの科学的な真実と論理的なプロセスを物語っています 。
1. 鑑定の順序:まず「本人ではない」ことを証明する(異筆証明)
BSHAMの真贋判定のプロセスは、まず「偽造の有無」を証明する異筆証明から始まります 。余程偽造が下手か,偽造者が自分の筆跡をそのまま書いている場合を除き,本人筆跡の書き癖を知らなければ、この鑑定はできません 。実鑑定では全体の20%程度が可能と判断されています。
👆 異筆証明が「高精度」な科学的根拠
- 真筆者の癖が基準:まず、「本人筆跡の書き癖(恒常性)」を客観的な数値で定義します 。
- 恒常性の崩壊の証明:偽造者は、真筆者の無意識の癖を再現できないため、鑑定資料には真筆者なら必ず現れるはずの癖が統計的にありえない水準で欠如(崩壊)している兆候が現れます 。
- 二項分布による断言:この「恒常性の崩壊」の数を二項分布で証明し、「偽造である」と断言します 。
結論: この異筆証明で「遺言書の筆跡が違う」という証明が成立した後、初めて次の「偽造者特定」のステップに進むことが可能になります。
2. BSHAMの最大の強み:本人証明はなぜ「数学的に断言」できるのか
「この文書が本人による真筆か」を証明する同筆証明は、異筆証明のプロセスを経るからこそ可能となる、論理的に強固な証明です 。
👆 本人証明が「比較的容易」な理由:微細な癖の「量」
- 模倣困難な微細な癖の「一致」が多数:真筆者の筆跡には、偽造者が再現困難な微細な筆跡個性の一致が多数存在します 10。異筆証明の調査によって相違点が少なければ(=微細な癖の一致が多ければ)、同筆の要素が高くなるという理論が成立するため、本人筆跡と鑑定資料の同一性は比較的容易になります。
- 積の法則による断言:この多数の一致点という証拠の「量」があるため、BSHAMは積の法則で偶然の一致を極限まで否定し 、最大 99.9999% を超える信頼度を数学的に保証し 、「本人による真筆である」と断言できるのです。
3. BSHAM最大の難問:偽造者特定が極めて困難な理由
同筆証明の成功体験とは裏腹に、「偽造した犯人の筆跡か」を特定する同筆証明は、従来の鑑定法も当然不可能な、BSHAM最大の難問です。
🚨 犯人特定が「言い切れない」理由:証拠の「数」の不足
- 偽造者自身の癖の消滅:巧妙な模倣の努力により、偽造者自身の恒常的な癖は崩壊・消滅します 。
- 証拠の「数」が少ない:その結果、鑑定の根拠となる希少性の高い筆跡個性が、鑑定資料に極めて少なく(せいぜい1~2個程度)しか残りません。
この微細な癖の「数」が少ないため、本人証明のように積の法則で高い信頼度を保証できず、「本人である」とまでは言い切れないのです。
この難しさの主張こそが、異筆証明よりも圧倒的に難しい同筆の証明を物語っているのです。
4. 結論:BSHAMの科学的正直さとご相談のお願い
BSHAMは、科学的限界を正直に認めつつ、お客様の最も重要な問題解決に向け、現時点で最高の証明力を提供し続けます。
偽造の疑いのある人物と鑑定資料の同筆か否かの鑑定は、「必ずしも不可能ということではなく、稚拙な偽造であれば可能なケースもありますので、まずはお気軽にご相談ください。」
従来の鑑定法も当然不可能なこの難問に対し、BSHAMは論理と統計に基づく科学的な正直さをもって向き合います。


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