💡 はじめに:なぜ今、この問題提起が必要なのか
筆跡鑑定は、依頼者様の人生を左右する重要な判断材料です。しかし、一部の検索上位の鑑定機関が、不当な手法と虚偽表示を用いて集客し、鑑定業界の信頼性を損なう事態が生じています。
本記事は、科学的知見の提唱者として、公正な鑑定業界の実現と依頼者様の保護のため、その倫理的・論理的な矛盾点を客観的に指摘します。
1. 🧠 知的基盤の歪曲:科学的論理が破綻した「ごまかし」
現在、検索上位の業者が謳う「手続き記憶(脳科学)」を用いた鑑定アプローチには、根本的な矛盾があります。
A. 🚨 論理の破綻:「伝統」の看板で科学を隠す
業者はウェブサイト上で「手続き記憶は、伝統的筆跡鑑定の範疇である」と記載しています。これは、自己の主張の根拠を否定する自己矛盾です。
- 伝統的鑑定: 鑑定人の経験や筆跡の形態的類似性に根拠を求めます。
- 手続き記憶: 筆跡の起源を脳の運動プログラムに求める、従来の限界を超える非伝統的(科学的)なアプローチの中核です。
業者が「伝統」と主張するのは、弊所などが提唱してきた科学的知見を後追いで導入しながら、出所を隠し、パクリではないと装うための悪質な論理のすり替えに他なりません。
B. 🔎 核心を欠いた「浅い理解」
さらに、業者の主張は手続き記憶の科学的な本質を理解していません。
筆跡鑑定の核となる手続き記憶は、 「個人固有の無意識的な運動プログラム」 として、その恒常性(不変性)こそが鑑定の科学的根拠です。手続き記憶は、容易には書き換えられず、日々更新されることはありません。
しかし、筆跡の外形的な表現は、疲労、筆記用具の滑り具合、感情の高ぶりといった瞬間的な要因や、老化によって「変動しやすい側面」を持ちます。
| 浅い鑑定(業者・伝統的) | 深い鑑定(BSHAMなど科学的鑑定) |
| 変動しやすい外形(字の乱れ、速さ)に注目し、「筆跡は変化する」という表面的な事実のみを捉える。 | 恒常的な実行制御パターン(運筆の力の制御、筆記リズム)に注目し、「変動要因があっても維持される個人固有の不変の恒常性」を客観的に抽出する。 |
真の科学的鑑定とは、これらの変動要因に左右されない、無意識下の恒常性(常同性)を捉えることです。「伝統の範疇」と主張する業者は、この恒常性を科学的に抽出する方法論を持たず、単に表面的な用語だけを借りているに過ぎません。
2. 💰 依頼者を欺く「納期詐称」「地域詐欺」と「高額搾取」
ご指摘の業者に見られる営業実態は、倫理的にも法的に見ても極めて問題があります。
- 納期詐称と高額搾取: Webサイトの「最短〇日」表示で集客した後、電話では「数ヶ月待ち」と偽り、最短納期のために通常の3倍もの高額な料金を要求・搾取しています。これは依頼者の緊急性や不安を悪用した背信行為です。
- 地域を騙る不当なSEO戦略: 拠点が神奈川にしかないにもかかわらず、「佐賀の筆跡鑑定」「札幌の筆跡鑑定」など、全国各地の地名を冠したSEOで検索上位を独占し、地元で活動する真の専門家を埋没させています。
🛡️ 結論:依頼者への提言と業界の健全化のために
筆跡鑑定をご依頼される皆様は、検索順位の高さや謳い文句の派手さではなく、以下の点を厳しく見極めてください。
- 理論の深さ: その鑑定人が「手続き記憶の恒常性」を科学的にどう証明できるのか。
- 倫理観と透明性: 納期や料金に矛盾がないか。不当な追加料金を要求しないか。
【追記】これは感情論ではありません:法的・倫理的な責任の追及について
本記事で指摘した一連の行為(納期詐称、不当な高額請求、知見の不当利用、地域を騙るSEO)は、単なるビジネス上の競争ではなく、法的な規制や業界の倫理に反する重大な問題をはらんでいます。
公正な鑑定業界を確立するため、私たちはこの問題を感情論ではなく、責任をもって追及してまいります。
1. 🚨 虚偽表示と高額搾取の疑義(景表法・消費者契約法関連)
業者が行う「納期詐称」や「地域を騙るSEO」は、依頼者を欺く不当な表示にあたると考えられます。
- 景品表示法(景表法)違反の疑義: ウェブサイトの「最短納期」表示と、実際の「数ヶ月待ち」という状況の乖離は、消費者に誤解を与える不当表示(優良誤認表示)にあたる可能性があります。また、拠点が一つにもかかわらず広範囲の地名で集客する行為も、表示の不当性として問題視されます。
- 不当な高額請求: 緊急性につけ込み、不当に高額な費用(通常の3倍とされる特別料金)を要求する行為は、消費者契約法において、消費者の判断に影響を与える不実告知や不当な取引として問題視される可能性があります。
2. 🧠 知的貢献の軽視と論理の破綻
- 「手続き記憶は伝統の範疇」という誤った主張は、鑑定の科学的根拠を意図的に混同させ、自己の行為を正当化するための欺瞞です。これは、真に科学的な鑑定を目指す専門家としての倫理に著しく反するものです。
3. 🎯 責任ある機関への情報提供と今後の対応
私たちは、依頼者様が不当な被害に遭うことを防ぐため、これらの不正な営業実態について、すでに消費者庁など関係機関への情報提供および対応策の検討を進めています。
真実と科学に基づいた鑑定の価値を守るため、法的な措置も視野に入れ、一歩ずつこの問題に取り組んでまいります。


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