よくあるご質問 ― 費用・期間・遺言書の筆跡について

FAQ

よくあるご質問

お電話でよくいただくご質問をまとめました。ここにない事柄も、遠慮なくお尋ねください。鑑定が成立する案件かどうかの事前診断は無料です。

まず、この一点を

似せて書かれていたら、鑑定で分かるのですか。

従来の筆跡鑑定では、分かりません。これが分かるのは、BSHAM®だけです。

そもそも筆跡鑑定が必要になるのは、誰かが偽造したかもしれないからです。ですから鑑定の方法は、偽造されたものに対して働かなければ意味がありません。

ところが、いま行われている筆跡鑑定のほとんどは、文字の形が似ているかどうかで判断しています。つまり、形が似ていれば本人が書いた、という前提に立っています。

しかし、偽造する人は、まさに似せるために偽造します。似ていれば本人だと言うのであれば、上手に偽造した人ほど本人になります。実際、逆のことが起きます。似せて書かれれば形は似るので「本人が書いた」と出ます。わざと崩して書かれれば形は似ないので「本人ではない」と出ます。偽造した側が狙ったとおりの答えが出てしまう、ということです。

これは、特定の鑑定人の腕の問題ではありません。形を比べるという方法そのものの性質です。どれだけ丁寧に、どれだけ多くの箇所を比べても、向きは変わりません。上手に似せられるほど、あるいは上手に隠されるほど、答えは真実から遠ざかります。

BSHAM®は、この一点のために開発した方法です。見るのは形ではなく、その形を生み出した運動です。似せて書く人は、見えるものしか真似できません。拡大して初めて気づくような運動の順序や向きは目に入らないため、そこには書いた本人の癖がそのまま残ります。加えて、手本を見ながら書く行為は運筆に代償を残します——速度が落ちる、線の入りや方向転換に迷いが出る、といった痕跡です。

この違いは、ご自身で確かめられます。ほかの鑑定所の説明をご覧になり、「似せて書かれていた場合に、その方法はどうなるのか」が説明されているかどうかをお確かめください。説明がなければ、その方法が想定しているのは偽造ではなく、無関係な書き手の識別です。争われているものと、答えている問いが違うことになります。判定手順の解説はこちら

ご依頼の前に

費用はいくらかかりますか。追加料金は発生しますか。

最初の事前診断は無料です。実際に監査を行う初期鑑定パッケージが33,000円(税込・怪文書等は55,000円)、裁判所へ提出する本鑑定が220,000円(税込)からです。初期鑑定から本鑑定へ進む場合、初期の費用は全額を充当しますので二重払いにはなりません。

追加料金は一切いただきません。資料の量や難易度による後出しの請求も、お急ぎ料金もありません。詳しくは料金のページをご覧ください。

先にお金を払う必要がありますか。

ありません。費用は完全後払いです。鑑定書の内容にご納得いただいてからお支払いください。

なお、ご納得いただく対象は鑑定書の論理と根拠であって、結論がご希望に沿うかどうかではありません。結論を依頼者のご意向に合わせることはいたしません。

原本がありません。コピーや写真でも鑑定できますか。

できる場合が多くあります。原本がないから鑑定できない、ということはありません。コピーからでも判断できる箇所と、判断が付かない箇所があり、その切り分けを行うのが鑑定人の仕事です。

コピーであっても、書いたときの速さの跡は画線に残ります。撥ねや払いの先端がどのように細くなっているか、画線の太さがどこで変わっているかは、写しからでも読み取れることが少なくありません。コピー画像で実際にどこまで読み取れるかは、コラム「紙は静止画ではありません」でご覧いただけます。

問題になるのは原本かどうかではなく、その資料が汚染されていないか——別の書き手の筆跡が混じっていないか、後から手が加えられていないか——です。事前診断はスマートフォンで撮影した画像で結構です。

本人の字が数枚しかありません。それでも可能ですか。

枚数では決まりません。決め手は、比較できる共通の単位があるかどうかです。同じ文字がなくても、へん・つくりなどの部品が共通していれば比較できます。

1枚しかない資料からでも、筆順の違いや誤字・字体の癖など、判定に使える発見が得られることがあります。資料が少ない場合の詳しい説明はこちら

どのくらいの期間がかかりますか。

事前診断は、資料を拝見してから通常24時間以内にご連絡します。本鑑定の期間は資料の量と内容によりますので、診断の際にお伝えします。

期日が迫っている場合はその旨をお知らせください。お急ぎであっても、特急料金はいただきません。

相談したら、必ず依頼しなければなりませんか。

いいえ。事前診断を受けたうえで、進めるかどうかをお決めください。この段階でのお断りに費用はかかりません。

他社と比較検討されている場合も、遠慮なくご相談ください。何を確かめて依頼先を選ぶべきかはこちらのガイドに整理しています。

どんな資料を用意すればよいですか。

争いのある文書と、本人が書いたと分かる資料をお出しください。後者は、本人の署名が入った申請書類、日記、手紙などです。

「これは本人のものか分からない」という資料も、ご自身の判断で外さないでください。別の書き手の筆跡が混じっていないかを調べるのは、こちらの仕事です。

遺言書・相続について

「高齢で手が震えていたから字が違う」と言われました。反論できますか。

できます。手の震えや乱れは、書くたびに現れ方が変わる「揺らぎ」です。一方、筆者を見分ける手がかりは、その揺らぎの下で一貫して繰り返される「筆跡個性」——脳が定着させた運動の型です。この二つは別のもので、震えても型は残ります。

実際、当研究所の記録では、鑑定書に震えの記載がある15名すべてで、反復する筆跡個性を特定できています。

さらに、震えのある側とない側を比べた数字があります。震えの記載がある15名(226箇所)で、対照資料との間にずれが出たのは14.2%。震えの記載がない57名(822箇所)では20.4%でした。震えのある側のほうが、むしろ低いという結果です。震えても型が崩れないどころか、崩れ方は震えていない方と変わらない、ということになります(検証の記録)。詳しい説明はこちら

「年をとれば筆跡は変わるものだ」と言われました。

順序が逆です。運動の型が書き換わるには、違う動きを大量に繰り返す必要があります。書く機会が減った高齢の方には、書き換えに必要な反復量がありません。変わっているのは、その上に乗る揺らぎのほうです。

また、変わりやすさは文字ごとにも違います。住所や氏名のようによく書く文字と、めったに書かない文字とでは前提が異なります。

相続人の一人が書いた疑いがあります。誰が書いたかまで分かりますか。

その方の筆跡資料が得られる場合、比較の対象に加えることができます。ただし、書いた人を特定する判断は、本人の筆跡かどうかを判断するより著しく困難です。

模倣の可能性、資料の量、ほかに候補者がいる可能性があるためで、当研究所は断定はせず、参考的な評価として位置づけます。この限界は鑑定書にも明記します。

遺言書は封筒に入ったままです。開けてよいのでしょうか。

自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認を経ずに開封してはならないとされています。まだ開封されていない場合は、そのままにして、弁護士または家庭裁判所にご相談ください。

検認の際に撮影された画像や、検認後の資料で鑑定は可能です。手続の順序を誤ると不利になることがありますので、開封の前にご確認ください。

鑑定の結果、本人の筆跡だと分かることもありますか。

あります。当研究所の結論は「同一人」「別人」「判定不能」の三つで、依頼者の期待する結論を出すことはありません。

本人の筆跡であると分かった場合も、その理由をご説明します。争いを続けるかどうかの判断材料としてお使いください。

裁判・相手方の鑑定について

相手方から鑑定書が出てきました。どうすればよいですか。

正反対の結論をぶつけるだけでは、裁判所には「専門家の意見が割れている」としか映りません。有効なのは、その鑑定書の判断過程——どの資料を使い、どの基準で選び、どうやって結論に至ったか——を審査することです。

審査の第一の観点は、その鑑定書が「似せて書かれていた場合にどうなるのか」を書いているかどうかです。形が似ているという理由で本人の筆跡だとしている鑑定書は、模倣という可能性をそもそも扱っていません。書かれていなければ、その鑑定が答えているのは、争われている問いとは別の問いです。

相手方の鑑定書を拝見して、審査に耐える構造かどうかからお答えします。詳しくはこちら

「裁判所は筆跡鑑定を重視しない」と弁護士に言われました。

裁判所がそう述べてきたのは事実です。判決は、筆跡鑑定は科学的な検証を経ていない、その性質上、証明力に限界があると述べています。そしてこれは、当研究所の鑑定を含め、すべての筆跡鑑定に当てはまります。

筆跡には、後から正解を確かめる方法がありません。DNA鑑定なら、別の検査でもう一度確かめ直せます。筆跡には、それに当たるものがありません。誰が書いたかを本当に知っているのは、書いた本人だけです。遺言書の場合、その本人はもう亡くなっています。判決も答えにはなりません。判決は、裁判所がどちらを信じたかの記録であって、誰が書いたかの答えではないからです。ですから「検証済みの筆跡鑑定」は、当研究所のものも含めて、この世に一つもありません。これから先も出てきません。

ですから分かれ目は、検証を経たかどうかではありません。検証に耐えうる形で書かれているかです。どの資料を使い、どの箇所をどういう基準で選び、なぜその結論に至ったのかが書いてあれば、読む側がその過程をたどり直せます。たどり直せる鑑定書であれば、少なくとも読む側に、どちらが合理的かを審査する手段が残ります。この経緯を詳しく解説しています

法廷に出て証言してもらえますか。費用はかかりますか。

出廷します。日本国内のほか、米国の裁判手続でも証言した経験があります。

証人出廷の日当、弁護士との打ち合わせ費用は申し受けません。鑑定書に記載したことを法廷で自ら説明することは、鑑定人の責任の一部だと考えているためです。

そのうえで、実費として次をいただきます。交通費(東京・神奈川は一律2,000円、それ以外は実費)、宿泊費(宿泊が必要な場合は一律10,000円)、そしてご希望の場合の尋問前の技術説明(33,000円)です。技術説明は、鑑定の内容を代理人の先生と事前に確認するためのもので、必須ではありません。

裁判所が選任した鑑定人の鑑定(職権鑑定)と、当研究所の鑑定は何が違うのですか。

違いは、判断の過程が書かれているかどうかです。鑑定人が裁判所に選ばれたことは、その鑑定の手法が確かめられたことを意味しません。選任にあたって手法が審査されるわけではないからです。

ですから職権鑑定の結果をご覧になるときは、どの資料を使い、どの箇所をどういう基準で選び、なぜその結論になったのかが書かれているかをお確かめください。書かれていれば、こちらも同じ資料でたどり直せます。書かれていなければ、たどり直す手段がありません。当研究所は、その過程を開示する形で鑑定書を作成しています。

職権鑑定の前と後、どちらの段階でも取れる手順がありますので、状況をお聞かせください。

鑑定の方法について

BSHAM®は、ほかの筆跡鑑定と何が違うのですか。

見ているものが違います。従来の鑑定が比べるのは文字のですが、当研究所が監査するのは、その形を生み出した運動の生成です。形は似せて書けば似ます。しかし、その形を生み出す運動の順序や向きには、真似た側の手癖が出ます。

また、判断の順序を四段の監査構造として定め、どの段で何を審査したかを鑑定書に開示します。詳しい解説はこちら

紙に書かれた文字は静止した画像です。そこから、書いたときの動きが分かるのですか。

分かります。紙に残っているのは、書き終えた後の形だけではありません。書いているときの速さが、画線そのものに残っています。

たとえば撥ねや払いは、筆記具が走り抜けた先端が針のように細くなります。速く動けば細く抜け、動きが止まりぎみになれば太いまま終わります。一本の画線の中でも同じことが起こります。速さが変われば画線の太さが変わり、濃淡の移り変わりとして現れます。そして、速さが落ちれば画線は揺れます。

ですから当研究所は、書いたときの速度を計算で言い当てているのではありません。速さは、はじめから画線の形として紙に記録されています。拡大すれば、そこに残っているものを見ることができます。これは、コピーであっても多くが残ります。

もっとも、画線を一本見ただけで何かを申し上げることはありません。そこに現れた運動が、資料をまたいで繰り返し現れているかどうか——ここまで揃って、はじめて判断の材料になります。運動の記録であることと、その運動が繰り返されていること。この二つが揃わなければ、当研究所は結論を出しません。

文字の形が似ているかどうかを比べる方法では、ここは扱えません。形は、書いた速さが違っても似せることができるからです。逆に、書いた速さの違いは、形を似せても残ります。

実際の筆跡を並べた画像で、コラム「紙は静止画ではありません ― 画線に残る、書いたときの速さ」に詳しく書いています。判定手順の解説はこちら

本人がわざと字を崩して書いた可能性は、どう扱いますか。

韜晦(とうかい)といいます。借用書や念書について「これは自分が書いた字ではない」と否認される場合に、実際に問題になります。

形を見る鑑定では、この主張が通ってしまいます。わざと崩して書けば形は似なくなるので、「別の書き手が書いた」という結論が出るからです。模倣とは逆向きですが、偽造した側の望む答えが出るという点では同じことが起きています。

当研究所が見るのは、書き手が変えようと思いつかない水準です。意識して変えられるのは、自分でも気づいている目立つ特徴だけです。無意識に定着した運動は、隠そうとしても出ます。加えて、いつもと違う書き方をする行為は、模倣と同じように運筆に不自然さを残します。

「AI筆跡鑑定」とありますが、AIが判定するのですか。

いいえ。現在の第1フェーズでは、観察も、判断も、結論も、すべて鑑定人が行います。責任は、どの段階でも鑑定人が負います。

現在、当研究所がAIに担わせているのは、鑑定書を速く作る作業ではありません。二つあります。一つは監査役です。鑑定人の最大の弱点は、自分の判断を自分では疑えないことです。結論を先に置き、それに合う箇所だけを集めてしまっても、一人では気づけません。ですからAIには「批判的な立場から、この判断の欠陥を挙げよ」という形でのみ問いを与え、返ってきた指摘は鑑定人が資料に当たって一つずつ確かめます。もう一つは研究です。筆跡鑑定は科学の分野であり、査読を経た研究の知見に前提を突き合わせなければ、手法は更新されません。この二つに加えて、文書化の補助にも用いています。

判定をAIに委ねない理由は三つあります。第一に、学ばせるための正解が用意できないからです。偽造は、拙いものは形まで違い、巧みなものは瓜二つに書かれます。その幅を代表する練習用の資料は、誰にも作れません。学ばせる材料がなければ、当たっている割合も測れません。

第二に、画像から学ばせると、最も目立つ信号である「形」に引っ張られるからです。その結果、巧みに似せられたものほど「同じ書き手」と判断する方向に育ちます。形の類似では、模倣と本人の書字を分けられないからです。

第三に、理由を説明できないからです。法廷では「なぜそう判断したのか」を必ず問われます。答えられない判断は、証拠として使えません。

AIは相手に合わせて答えを変えることがあるため、判定は任せません。理由をこちらで詳しく説明しています。上の三つの理由をさらに詳しく述べたコラム「筆跡鑑定に、AIはできるのか。」もご覧いただけます。

なお、AIに担わせる範囲は、四つのフェーズに分けて考えています。現在は第1フェーズ(上記の監査役・研究・文書化の補助)です。この先は、反復のある特徴を機械的に洗い出す工程などを担わせることを研究しています。ただしいずれのフェーズでも、指摘箇所の選定と最終的な判断は鑑定人が行います。AIは工程を担いますが、結論を持ちません。四つのフェーズの内容はこちら

ほかの鑑定所が「AIを導入した」と書いています。どう見ればよいですか。

AIを使うこと自体は、問題ではありません。作業が速くなること自体も、ご依頼される方の不利益にはなりません。ただし、速くなるのは鑑定書を作る時間であって、判断の中身ではありません。文字を数える作業をどれだけ速くしても、その鑑定が見ているものは前と同じです。

AIが鑑定の質に効くのは、別の二つの場所です。自分の判断を崩しにかかる監査役と、手法を更新するための研究です。この二つに使っていなければ、来年の鑑定書も今年と同じ手法のままになります。また、将来は鑑定人とAIの合議のような形で結論を出す、という構想を掲げる例もあります。合議によって出された結論は、誤りがあったときに、どちらの判断に由来するのかを分けることができません。当研究所の設計では、AIの出力は候補や仮の結果にとどまり、それを採るか捨てるかを決めるのは鑑定人です。誤りの所在は、常に鑑定人にあります。

お尋ねになるのは、この一問で足ります。「AIを、何に使っていますか」——作業を速くするためだけであれば、ご依頼された方が受け取るのは、納品が早いことだけです。依頼先を選ぶときの見方はこちらのガイドに、AIに判定ができない理由はコラム「筆跡鑑定に、AIはできるのか。」に整理しています。

鑑定の的中率や誤り率を教えてください。

お答えできる数値はありません。筆跡の真偽を最終的に知っているのは、それを書いた本人だけだからです。鑑定の結論を後から答え合わせして正しさを測る手段は、当研究所の手法を含め、どの筆跡鑑定にも存在しません。

高い的中率を掲げる説明を見かけたら、何と照合してその数字を出したのかをお尋ねになることをお勧めします。当研究所が公開しているのは、方法が拠って立つ前提を実データで確かめた記録です(検証の記録)。

鑑定できないと言われることはありますか。

あります。比較の土台が成立しない案件は、受任の段階でお断りしています。2,000件を超える受任実績の裏に、約100件の受任辞退があります。

お引き受けした後も、材料が結論を支えるに足りなければ「判定不能」を結論としてお伝えします。断れない鑑定人の断定に、証拠としての価値はありません。

秘密は守られますか。

お預かりした資料と事件の内容は、鑑定人が厳秘にて取り扱います。担当者が振り分けたり、外部に共有したりすることはありません。

当サイトで公開している事例も、当事者名・関係者名・相手方鑑定人名をすべて伏せています。

ここにないことも、遠慮なくお尋ねください。
鑑定が成立する案件かどうかから、鑑定人が直接お答えします。

042-714-7747 受付時間 9:00〜18:00 / 年中無休・全国対応 資料を送って無料診断を受ける