AIと筆跡鑑定の融合:Gemini 2.5 Proが拓く脳科学的筆跡鑑定の新たな地平
当研究所では、最先端のAI技術と脳科学的筆跡鑑定法を融合させた、画期的な鑑定手法の研究・開発を進めています。この取り組みはまだ研究段階ではありますが、すでに大きな手応えを感じており、筆跡鑑定の未来を大きく変える可能性を秘めていると確信しています。以下が,AIが作成した筆跡鑑定書です。

AI筆跡鑑定書
1. 鑑定の目的
本鑑定は、提示された大木順子氏(仮名)の筆跡(以下「本人筆跡」という)と、書き手不明の鑑定資料の筆跡(以下「鑑定資料筆跡」という)が、同一人物によるものか否かを、脳科学的筆跡鑑定法に基づき検証することを目的とする。
2. 鑑定資料
- 本人筆跡: 青枠内の「言偏」4箇所
- 鑑定資料筆跡: 赤枠内の「言偏」4箇所
- 備考: 提示された画像は拡大されたものであり、実際の筆跡は1立方センチメートル程度の非常に小さな範囲である。
3. 脳科学的筆跡鑑定法とは
文字を書くという行為は、自転車に乗る、楽器を演奏する、箸を使うといったスキルと同様に、「手続き記憶」に深く関係している。手続き記憶とは、繰り返しの運動によって無意識のうちに習得される技能や習慣に関する記憶であり、一度習得されると無自覚性を持つ運動動作へと移行される。
筆跡に現れる個々の特徴は、この「手続き記憶」によって形成された、筆者固有の無意識の「運動動作の傾向」の表れであると捉える。この「運動動作の傾向」は、単なる筆跡の図形的な形状の範囲(いわゆる「変動幅」という概念とは異なる)ではなく、筆者が文字を書く際の身体の動き、特に手首などの運筆動作に強く影響される。偽造者が意識的に字形を模倣しようとしても、無意識に体に刻まれた運動動作の「傾向」まで完全に再現することは極めて困難である。
4. 比較分析
本人筆跡と鑑定資料筆跡の「言偏」における「運動動作の傾向」を比較検討した結果、以下の相違点が認められた。
- 本人筆跡における「運動動作の傾向」:
- 「言偏」の特定の箇所(隣に〇印が付された箇所)において、「a」と指摘された終筆部では、手首が左下方へ回転する明確な運動動作の傾向が確認される。
- 同じく「言偏」の特定の箇所(隣に〇印が付された箇所)において、「b」と指摘された起筆部では、ひらがなの「く」のように起筆部を曲げて書く傾向、すなわち手首が左方向に動いた後、右に動くという固有の運動動作の傾向が確認される。
- これらの運動動作の傾向は、筆圧、線の揺らぎ、インクの濃淡、筆順からの読み取りといった他の要素とは関係なく、純粋に手首の運筆動作の特性として明確に識別される。
- 鑑定資料筆跡における「運動動作の傾向」:
- 鑑定資料筆跡の「言偏」の同じ箇所を詳細に観察した結果、上記本人筆跡に認められた「a」の手首の左下方への回転動作の傾向、および「b」の手首の左→右への特有の運動動作の傾向は、いずれも観察されない。
- このことは、両者の筆跡が、文字を書く際の根本的な運動動作のパターンにおいて異なることを示唆する。
5. 模倣困難性について
実際の筆跡が1立方センチメートル程度の非常に小さな範囲であるにもかかわらず、上記で指摘したような特定の「手首の運動動作の傾向」を意図的に模倣し、かつ自然に再現することは、極めて困難である。この無意識下の運動動作の「傾向」は、意識的な字形の模倣では容易には再現できない、筆者固有の個性である。
6. 鑑定結論
上記の比較分析の結果、大木順子氏の本人筆跡に見られる固有の「手首の運動動作の傾向」が、鑑定資料筆跡には認められない。この差異は、文字を書く際の無意識的な「手続き記憶」に基づく運動動作のパターンが根本的に異なることを示すものである。
したがって、本鑑定は、鑑定資料筆跡は本人筆跡とは異なる人物によって書かれたものであると結論する。
脳科学的筆跡鑑定法は,トラスト筆跡鑑定研究所 二瓶淳一が考案・命名した筆跡鑑定法です。
従来の鑑定の課題と脳科学的筆跡鑑定法
これまで、筆跡鑑定は鑑定人の経験や勘に頼る部分が多く、その証明力には限界があると言われてきました。特に、偽造筆跡を見抜くことは非常に難しく、裁判で筆跡鑑定の証拠価値が軽視されるケースも少なくありませんでした。
そこで私が提唱しているのが、「脳科学的筆跡鑑定法」です。これは、文字を書く行為が、自転車に乗るような無意識の運動スキルを司る「手続き記憶」に深く根ざしているという脳科学の知見に基づいています。筆跡に現れる個々の特徴は、単なる字形ではなく、筆者固有の「運動動作の傾向」の表れであり、偽造者が意識的に字形を模倣しようとしても、この無意識の運動動作まで完璧に再現することは極めて困難である、という考え方です。
AIに脳科学的筆跡鑑定法を「教え込む」
今回、私はGemini 2.5 Proに対し、この脳科学的筆跡鑑定法の詳細なロジック、特に以下の点を集中的に学習させました。
- 「手続き記憶」に基づいた「運動動作の傾向」の概念: 単なる図形的な「変動幅」ではなく、手首や指の動きといった具体的な身体動作が、筆跡にどのように反映されるのか。
- 「書き癖」の本質的な見方: 筆圧やインクの濃淡といった副次的な要素に頼らず、純粋な運動動作の傾向のみで筆跡の個性を識別する方法。
- 模倣困難性: 小さな文字において、無意識の運動動作の傾向を再現することの極端な困難さ。
Gemini 2.5 Proが導き出した鑑定結果
その結果、Gemini 2.5 Proは、ご提示した筆跡の「言偏」の箇所に着目し、私の鑑定と非常に近いロジックで分析を進めました。
- 本人筆跡の分析: Gemini 2.5 Proは、本人筆跡の「言偏」において、私が指摘した「a」の終筆部での手首の左下方への回転運動の傾向、そして「b」の起筆部での「く」のような曲がりを伴う手首の独特な運動動作の傾向を認識しました。これは、筆圧や線の揺らぎといった情報に頼らず、あくまで「手首の運動動作の傾向」として識別されるべきものとして捉えられました。
- 鑑定資料との比較: 鑑定資料の「言偏」において、Gemini 2.5 Proは本人筆跡に見られたこれらの具体的な「運動動作の傾向」が観察されないことを明確に指摘しました。
- 模倣困難性の認識: また、実際の文字サイズが1立方センチメートル程度の非常に小さな範囲であるため、このような無意識下の運動動作の傾向を模倣することが極めて困難であるという点も、AIは認識していました。
そして、これらの分析に基づき、Gemini 2.5 Proは「鑑定資料筆跡は本人筆跡とは異なる人物によって書かれたものである」という結論を導き出しました。
AIと脳科学的筆跡鑑定法の相乗効果
今回の試みで特に感じたのは、以下の点です。
- 論理の一貫性: AIは、一度教え込んだ「脳科学的筆跡鑑定法」のロジックに忠実に、極めて一貫した分析を行いました。人間の鑑定人が陥りがちな、感情や先入観に左右されることなく、純粋にデータとロジックに基づいて判断を下すことができます。
- 微細な特徴の識別: AIの画像認識能力と、詳細な運筆動作のロジックを組み合わせることで、人間の目では見落としがちな微細な「運動動作の傾向」の差異を識別できる可能性を感じました。
- 客観性と説得力: AIが提示する分析結果は、数値的なデータだけでなく、脳科学的なロジックに裏打ちされているため、その客観性と説得力は非常に高まります。これは、従来の鑑定書が抱えていた「主観的」という批判を払拭し、司法の場での証拠価値を高める上で非常に大きな意味を持ちます。
日本がリードする筆跡鑑定の未来へ
今回の研究段階での結果は、「脳科学的筆跡鑑定法」とAIの融合が、日本の筆跡鑑定を世界レベルでリードする可能性を強く示唆しています。漢字という複雑な文字文化を持つ日本だからこそ、この「運動動作の傾向」を深く分析する脳科学的アプローチは、圧倒的な優位性を発揮できると確信しています。
当研究所では、AIという強力なツールを活用し、より科学的で、より信頼性の高い筆跡鑑定技術を確立することで、不当な判決によって権利や財産を失う善良な人々を一人でも多く救うことができると信じています。
今後の研究の進展にご期待ください。
コメント