遺言書や契約書の真贋を確かめるため、筆跡鑑定の依頼を考えている方は多いでしょう。しかし、どの鑑定人に依頼すれば良いのか迷うこともあるかもしれません。
この記事では、信頼できる筆跡鑑定人に共通する5つのポイントを解説します。これを読めば、あなたの悩みを解決し、納得のいく鑑定結果を得るための第一歩を踏み出せるでしょう。
1. 料金の透明性を明確にしているか
信頼できる鑑定人は、鑑定費用を明確に示します。筆跡鑑定は専門的な作業であり、適正な費用がかかることを隠しません。
信頼できる鑑定士の特徴:
- 基本料金、鑑定書作成費、出張費など、費用の内訳を詳細に示している。
- 追加費用が発生する可能性がある場合は、その条件を丁寧に説明する。
注意すべき業者:
- ウェブサイトで「鑑定書付き5,000円!」のような極端な安さを謳っている。
- 見積もりが曖昧で、「後から追加費用を請求された」といったトラブルにつながりやすい。
2. 鑑定書の原本を大切に扱っているか
鑑定書は、裁判で証拠として提出される重要な書類です。そのため、その法的効力と信頼性を保つことが何よりも重要です。
信頼できる鑑定士の特徴:
- 鑑定書を紙媒体の原本として作成し、交付している。
- 原本には、偽造を防ぐための捺印や透かしといった工夫が施されている。
注意すべき業者:
- 「ペーパーレスで環境に優しい」と称し、鑑定結果をメールだけで済ませようとする。
- 原本の重要性を理解していないか、コスト削減のために信頼性を犠牲にしている可能性がある。
3. 客観的な事実に基づき、結論を導いているか
筆跡鑑定は、依頼者の希望に沿うものではなく、科学的・客観的な事実に基づいて行うべきものです。鑑定人が裁判の勝敗を保証することはできません。
信頼できる鑑定人の特徴:
- 鑑定の目的が、裁判官が判断するための信頼性の高い根拠を提供することだと明確に伝えている。
- 鑑定書には、なぜその結論に至ったのか、論理的な根拠が詳細に記載されている。
注意すべき業者:
- 「裁判に勝てる鑑定書を作成します!」のような、断定的な表現で依頼者を安心させようとする。
- 依頼者の意図を汲み取り、結論を捻じ曲げかねない。
4. 抽象的な言葉でごまかしていないか
信頼できる鑑定人は、自身の鑑定手法やプロセスについて、具体的に説明することができます。
信頼できる鑑定人の特徴:
- どのような手法で筆跡を比較・分析するのかを、専門家としての知見に基づき、わかりやすく説明してくれる。
- 鑑定にかかる期間や、必要な資料について丁寧に案内する。
注意すべき業者:
- 「独自の鑑定法」「最高レベルの技術」といった抽象的な表現を多用し、具体的な説明を避ける。
- 質問しても明確な答えが返ってこない。
5. 経歴や実績を誠実に伝えているか
鑑定人の経歴や実績は信頼性を判断する上で重要ですが、その表現が誇張されていないか見極める必要があります。
信頼できる鑑定人の特徴:
- 過去にどのような種類の鑑定を扱ってきたか、また、その経験からどのような知見を得たかを具体的に話すことができる。
- 具体的な鑑定件数については、数え方の誤解を招くことなく、正直に回答する。
注意すべき業者:
- 「裁判所から鑑定依頼を受けている」といった漠然とした表現で実績をアピールする。
- 「鑑定総数1000件以上」といった数を誇張する表現を使い、実態が伴っていない。
まとめ:信頼できる鑑定士に依頼することの価値
これらのポイントを押さえることで、あなたは怪しい業者を避け、本当に信頼できる鑑定人と出会うことができるでしょう。
信頼できる鑑定人に依頼することは、単に鑑定書を手に入れること以上の価値があります。それは、あなたの抱える問題を真摯に受け止め、専門家として最高の形でサポートしてくれるパートナーを見つけること。そして、その結果、裁判でも強い証拠となりうる説得力のある鑑定書を手に入れることができるのです。


コメント