従来の鑑定が持つ「構造的欠陥」
長年、筆跡鑑定は「鑑定人の経験と勘に頼る曖昧な手法だ」と批判されてきました。従来の鑑定法(伝統的、計測的)が抱える最大の課題は、筆跡の真偽を判断する焦点が「目に見える形」に固定されていたことです。
これは、鑑定結果が、偽造者の技術の巧拙に左右されるという構造的な脆弱性を生み出しました 。
🧠 BSHAMの核心:焦点は「手」から「脳の記憶」へ
私たちが提唱する「脳科学的筆跡鑑定法(BSHAM)」は、この従来の鑑定法と明確に一線を画します。私たちは、鑑定の焦点を「手」から「脳」へと完全に移行させ、筆跡を無意識の運動プログラムの痕跡として捉え直しました 。
この名称とアプローチは、以下の科学的根拠と論理的防御線によって裏付けられています。
1. 科学的根拠の明示:筆跡は「無意識の指紋」である
BSHAMが「脳科学的」である所以は、筆跡を確立された学術的知見に置いているからです。
- 手続き記憶(Procedural Memory): 筆跡を、意識的な努力では変えられない無意識の運動プログラム(技能)として捉えること 。
- 運動等価性: 筆跡個性は特定の筋肉ではなく、脳に刻まれた抽象的な設計図にあるため、体調や姿勢が変わっても、コアな個性は維持されます 。
この「変わらない」強固な安定性こそが、鑑定の信頼性を保証する核となります 。
2. 客観性の追求:主観を排した数値的防御線
BSHAMは、この科学的原理を統計学的に応用することで、鑑定人の主観を完全に排除し、客観性を実現します。
| 体系 | 従来の鑑定の課題 | BSHAMの数値的防御線 |
| 恒常性の定量化 | 「この癖はほとんど同じだ」という曖昧な主観。 | 筆跡個性の出現率を75%以上という客観的な数値基準で定義 。 |
| 同筆・異筆の証明 | 模倣の可能性を否定できない。 | 希少性に基づき、偶然の一致の確率を数学的に否定。 |
| 偽造の看破 | 偽造者の巧拙に依存する。 | 意識的な介入による無意識の乱れを科学的に検出 |
BSHAMの証明力を支える二つの強力な防御線は、以下の通り、数学的・運動学的に偽造を許しません。
- 積の法則による数学的保証: 積の法則により、恒常性の崩れや希少な一致点が偶然ではないことを数学的に保証 。
- 動力学的乱れの検出: 無意識の動力学的乱れ(筆速のムラや筆圧の不安定さ)を検出し、意識的な介入の限界を立証 。
結論:正当な命名と未来への責任
「Brain Science Handwriting Analysis Method(脳科学的筆跡鑑定法)」という名称は、単なる応用ではなく、従来の鑑定の根本的な脆弱性を克服するために体系化された独自の技法であるという、考案者の主張に基づく正当な命名です 。
この鑑定法がもたらす客観性、統計的厳密性、そして真の科学的裏付けこそが、筆跡鑑定を「経験則」から「科学的証拠」へと引き上げ、司法の信頼を確保する唯一の道であると確信しています 。
この手法によって、一つでも多くの真実が解明され、善良な市民の権利が守られることを願っています。


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