01.勝算の事前評価(初期監査)

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SERIES 01

勝算の事前評価(初期監査)
― 依頼する前に、「鑑定が成立する案件か」が分かります

筆跡鑑定の依頼で最も避けるべきは、「鑑定が成立しない案件」に費用と時間を投じてしまうことです。当研究所では、正式なご依頼の前に、監査が成立する案件かどうかを先に確認し、成立するならどの程度の見通しが立つかをお伝えしています。

費用がかかるのは、どこからか

先に、お金の話を明確にしておきます。ご相談から本鑑定までは三段階で、最初の段階は無料です。

1事前診断無料

資料を拝見し、比較の土台(下記の「橋」)が架かるかどうかを鑑定人が確認します。成立しないと判断した場合は、その理由とともに率直にお伝えします。ここまで費用はかかりません。

2初期鑑定パッケージ33,000円(税込)

成立する見込みがある場合に、実際に監査を行い、どこまで言えるかを報告書にしてお渡しします。怪文書・誹謗中傷文書は55,000円(税込)です。本鑑定へ移行する場合は全額を充当しますので、二重払いにはなりません。

3法廷提出用の本鑑定220,000円〜

裁判所へ提出する必要が生じた場合のみ、この段階に進みます(料金の詳細)。お支払いは、鑑定書の内容にご納得いただいてからの完全後払いです。

審査するのは「数値」ではなく「構造の成立可否」です

確認するのは、鑑定資料(争いのある筆跡)と対照資料(本人の筆跡)の間に「橋」――共通の比較単位(共通する文字、または文字を横断して現れる部品)――が架かるかどうかです。

橋が架かる案件

共通の文字や部品を横断して反復性の監査が成立します。資料の枚数が少なくても、監査は成立し得ます。

橋が架からない案件

比較の土台そのものが成立しません。資料の枚数や文字数がどれだけ多くても、監査は成立しません。

つまり受任の可否は、資料の「量」ではなく、反復性の監査という構造が成立し得るかどうかで判定されます。当研究所の2,000件を超える受任実績の裏には約100件の受任辞退がありますが、その大半はこの橋が成立しない案件です。断れない鑑定人の「断定」に、証拠価値はありません。

「75%」という数値について

当研究所の解説の中で「75%」という数値に触れることがありますが、これは判定基準ではありません。観察が一つ増えても優勢な方向が逆転しない「逆転耐性」という考え方を、目安として数値化した近似に過ぎません。

判定の核心は、鑑定資料に、本人には現れないはずの別の癖が安定して成立していないか(排他的交差反復性)、本人なら安定しているはずの箇所が保たれているか(反復性の崩壊)という構造の成否です。数値が結論を作るのではなく、結論の堅さを数値が測ります。詳しくは「BSHAM®とは」の四段体系の解説数理モデルの解説をご覧ください。

資料が少なくても、あきらめる前にご相談ください

「署名しかない」「対照資料が1〜2点しかない」という案件でも、可能性は残されています。BSHAM®の判定構造には、対照資料を必要とせず全件で作動する鑑定資料単独監査という段があり、鑑定資料そのものの内部から所見が成立する場合があるからです(詳しくは04. 対照資料が少ない場合の救済措置)。

※ただし、この監査が作動することと、結論に至れることは別です。鑑定資料の内部に不自然さが見つからなかった場合は、比較の足場である「橋」が改めて必要になります。過度な期待を持たせないために、この点は先に申し上げておきます。

逆に、事前診断の段階で「監査が成立しない」と判明した場合は、その理由とともに率直にお伝えします。成立しない案件をお断りできることは、成立すると判断した案件の所見が信頼できることの裏付けでもあります。

ご用意いただくもの

資料は、写しで結構です

①鑑定資料(争いのある筆跡)の写し、②対照資料(本人の筆跡と特定できる資料)の写し。原本である必要はありません。スマートフォンでの撮影画像で診断できます。

「これは本人のものか分からない」という資料も、外さずにお出しください

ご自身の判断で選り分ける必要はありません。他人の筆跡が混じっていないかを調べるのは、鑑定側の仕事です。当研究所は、比較の基準に使う対照資料そのものを、すべての依頼で監査しています(追加費用はありません)。

実務でどれほど混入が起きているかは、コラム「筆跡鑑定は対照資料で決まる」をご覧ください。

まずは、鑑定できる案件かどうかをお答えします。
資料の写真を添えてご相談ください。事前診断は無料です。

042-714-7747 事前診断・問合せフォームへ

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本記事でも触れた、法廷における筆跡鑑定の証拠価値が著しく低い現実や、科学的根拠のない「でたらめな鑑定」が業界に横行している実態については、拙著『筆跡鑑定をダメにした知ったかぶりの輩たち』にて詳細に告発しています。
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