TRUST FORENSIC HANDWRITING INSTITUTE
筆跡は「形」ではなく、
脳が生成した運動の記録である。
BSHAM®(脳科学AI筆跡鑑定®)は、文字の見た目の類似ではなく、筆跡を生み出した脳の運動生成そのものを監査する筆者識別の方法論です。似せて書けば、形は似ます。しかし、その形を生み出す運動の順序や向きには、真似た側の手癖が出ます。
創業2012年 / 受任実績2,000件超 / 日米の法廷で証人出廷 / 仙台高裁で逆転勝訴の鑑定を担当(判例タイムズ1491号57頁に掲載された公刊裁判例です)
筆跡鑑定に問うべきことは、一つだけです。
「似せて書かれていたら、その方法はどうなるのか」
筆跡鑑定が必要になるのは、誰かが偽造したかもしれないからです。ですから鑑定の方法は、偽造されたものに対して働かなければ意味がありません。
ところが、いま行われている筆跡鑑定のほとんどは、文字の形が似ているかどうかで判断しています。つまり、形が似ていれば本人が書いた、という前提に立っています。
しかし、偽造する人は、まさに似せるために偽造します。似ていれば本人だと言うのであれば、上手に偽造した人ほど本人になります。実際、こうなります。
| 模倣本人に似せて書く | 形が似る → 「本人が書いた」と出る |
|---|---|
| 韜晦(とうかい)自分の字を隠して書く | 形が似ない → 「本人ではない」と出る |
偽造した側が狙ったとおりの答えが出る、ということです。形の比較は、無関係な書き手の字を見分けることはできても、意図して手が加えられた字に対しては向きが逆に働きます。上手に似せられるほど、あるいは上手に隠されるほど、答えは真実から遠ざかります。
これは、特定の鑑定人の腕の問題ではありません。形を比べるという方法そのものの性質です。どれだけ丁寧に、どれだけ多くの箇所を比べても、向きは変わりません。
従来の筆跡鑑定に、この問いへの答えはありません。これに答えられるのは、BSHAM®だけです。BSHAM®は、この一点のために開発した方法です。
模倣に対して――似せて書く人は、見えるものしか真似できません。拡大して初めて気づくような運動の順序や向きは目に入らないため、そこには書いた本人の癖がそのまま残ります。加えて、手本を見ながら書く行為は運筆に代償を残します(速度が落ちる、線の入りや方向転換に迷いが出る)。
韜晦に対して――意識して変えられるのは、自分でも気づいている目立つ特徴だけです。無意識に定着した運動は、隠そうとしても出ます。書き手が「そこを変えよう」と思いつかない水準を見るのが、この方法の設計です。
この違いは、ご自身で確かめられます。他の鑑定所の説明をご覧になり、「似せて書かれていた場合に、その方法はどうなるのか」が書いてあるかどうかをお確かめください。書かれていなければ、その方法が想定しているのは偽造ではなく、無関係な書き手の識別です。争われているものと、答えている問いが違うことになります。
いま、どの状況ですか。
遺言書・契約書・怪文書の筆跡が争いになっている方のための研究所です。ご相談の入口を、状況別にご用意しました。まずは、鑑定が成立する案件かどうかからお答えします(事前診断は無料です)。
相手方から鑑定書が出てきている方は、まずその鑑定書に、偽造(模倣・韜晦)を検討したという記載があるかどうかをお確かめください。確かめ方と、代理人の先生がそのまま準備書面・尋問事項書に引き写せる求釈明の文案を、求釈明・尋問の要点(PDF・無償)として公開しています。
弁護士・法務担当者の方は専用資料室へ。反対尋問の想定問答集、監査チェックシート、準備書面へ転用できるテンプレートを公開しています。
他の鑑定機関で結果を受け取られた方へ
― あきらめる前に、一点だけご確認ください
当研究所には、すでに他の鑑定機関で結果をお受け取りになった方から、多くのご相談が寄せられます。費用を払って受け取った回答に、どうしても納得がいかない――そういう状況の方が対象です。
筆跡鑑定には、偽造――模倣(本人に似せて書く)と韜晦(自分の書き癖を隠して書く)――を検討する手順があるものと、無いものがあります。
手順の無い鑑定では、精巧に作られた偽造ほど「本人の筆跡である」と判定されます。形をよく写しているものほど、形が一致するからです。上手な偽造ほど見抜かれない、のではありません。上手な偽造ほど、本物だと判定されるということです。
確かめ方は、一つだけです
お手元の鑑定書に、偽造(模倣・韜晦)を検討したという記載があるかどうか。「模倣」「韜晦」「作為」といった語が、どこかに出てくるかどうかをお探しください。目次を見れば分かります。
記載が無いのであれば、その一点は、まだ調べられていません。結論が誤っていると申し上げているのではありません。その結論が正しいかどうかが、まだ確かめられていない、ということです。
ご自身の見立てと違う結果が出たとき、多くの方はそこであきらめられます。しかし、偽造を検討していない鑑定であれば、あきらめる理由には、まだなっていません。
なお、当研究所で鑑査した結果、前の鑑定と同じ結論になることもあります。その場合は、そのままお伝えします。当研究所の結論は「同一人」「別人」「判定不能」の三つで、ご希望に沿う結論をお出しする仕組みは持っていません。事前診断は無料です。まず、鑑定が成立する案件かどうかからお答えします。
筆跡鑑定のセカンドオピニオン ― 確かめ方と、ご相談の流れを詳しく見る →
どこを確かめればよいのかを、依頼前の観点から整理したものがあります。→ ガイド:筆跡鑑定の正しい選び方
BSHAM®は、何が違うのか。
― 運動生成から筆者を識別する、まったく別のロジック
従来の筆跡鑑定は「文字の形が似ているか」を比較してきました。BSHAM®が監査するのは形ではなく、その形を生み出した運動の生成過程です。開発者本人が、その考え方の核心を解説します。
開発者・二瓶淳一による解説。従来鑑定が抱える問題点の解説動画は「BSHAM®とは」のページでご覧いただけます。
高等裁判所で、既存の鑑定がくつがえった。
仙台高等裁判所 令和3年1月13日判決(判例タイムズ1491号57頁)
当研究所は、この事件で鑑定書および反論書の作成を担当しました。一審の判断の基礎となっていた既存の鑑定は覆り、逆転勝訴となっています。判決で問題とされたのは、結論そのものよりも判断過程――資料がどこまで検証可能か、類似の比較に依拠していないか、判断基準が示されているか――でした。
この事件で、当研究所がどのような鑑定を行い、相手方鑑定書をどの論点で崩し、判決理由にどう対応しているのか――詳しく公開しています。
※判決文には鑑定人名が記載されない慣行があるため、担当した事実関係としてここに明記しています。
判定は、四つの監査段を順に通過する。
BSHAM®の判定は、印象や経験則の積み上げではありません。四段の監査構造として設計されており、各段は「次の段の問いがそもそも成立するか」を審査します。前提が崩れていれば、次の問いには進みません。
1能力監査書字能力に疑義のある事案で作動
「病気や高齢で手が震えていたから字が乱れた」――相続をめぐる争いで、最も多く持ち出される主張です。しかしここには、筆跡鑑定の根本にかかわる取り違えがあります。
手の震えや乱れは、書くたびに現れ方が変わる「揺らぎ」です。一方、筆者を識別する手がかりは、揺らぎの下で一貫して反復する「筆跡個性」――脳が定着させた運動のプログラムです。この二つは別のもので、揺らぎがどれだけ増えても、その下の運動プログラムは保たれます。形だけを見る従来の鑑定は、この二つを区別できません。だから、震えた字を見て「別人が書いた」とも「本人が書いた」とも、どちらにも言えてしまうのです。
さらに、筆跡個性が書き換わるには、大量に書き続ける必要があります。引退して書く機会が減った高齢者は、むしろ筆跡個性が安定します。「高齢だから筆跡が変わって当然」という通念は、書字の仕組みからは逆なのです。BSHAM®は、揺らぎと筆跡個性を分離したうえで、病状と運動出力が物理的に整合するかまでを検証します。
▼ 通過して初めて「この筆跡は自然か」を問える
2鑑定資料単独監査全件で作動・対照資料は不要
対照資料(本人の筆跡)と比べる前に、鑑定資料そのものを単独で監査します。模倣に対して最初に働くのが、この段です。似せて書く行為は、運筆に必ず代償を残します。手本を見ながら書けば速度が落ち、線の入りや方向転換に迷いが出る。一通の文書の内部で運動の生成が破綻していれば、それは比較を待たずに成立する所見です。
資料が少ない案件・署名しかない案件でも、この監査段は作動します。ただし、作動することと結論に至れることは別です。ここで不自然さが見つからなければ、次は比較の足場(橋)が必要になります。
▼ 通過して初めて「対照資料と比べる」問いが成立する
3反復性監査文字・部品・全体の三水準
判定の核心です。個々の文字、へん・つくりなどの部品、そして筆跡全体という三つの水準で、運動の方向性が反復しているかを監査します。書き手の意識が及ばない水準で反復が交差して現れるとき、それを模倣で説明することは困難になります。似せて書く人は、見えるものしか真似できないからです。拡大して初めて気づくような箇所は目に入らないため、そこには書いた本人の運動が現れます。
この比較は、基準に用いる対照資料そのものを監査したうえで行います。「本人の筆跡」として提出された資料に別の書き手の筆跡が混じっていることは、実務では珍しくありません。汚れた基準の上に精密な比較を積んでも意味がないため、対照資料にも同じ理論を当て、疑わしい資料は根拠を示して除外します。
▼ 所見が確定して初めて数理の問いが成立する
4数理評価所見を確率論で補強
確定した所見を、保守的な統計手法(ラプラスの継承公式)によって数値化します。数理は判定の核心ではなく、第三段までの監査結果を法廷で検証可能な形に翻訳する補助です。
数値を大きく見せない設計にしてあります。掛け合わせるのは、共通の原因を持たない運動制御の分類の数だけで、その分類は五つに限っています。どれだけ多くの食い違いを見つけても、掛け算は最大で五回しか行いません。
四段体系の詳しい解説は「BSHAM®とは」のページをご覧ください。
言えることと、言えないことを分ける。
科学の名に値する鑑定とは、何でも断定する鑑定ではありません。BSHAM®は、所見の強さを「前提の堅さ」と「他の無害な説明が存在しないこと」の二つの要件で厳密に区別し、根拠が及ばない断定は行いません。
「判定不能」は、正当な結論です
資料の間に共通の比較単位(橋)が成立しない案件は、受任段階でお断りしています。2,000件超の受任実績の裏には、約100件の受任辞退があります。断れない鑑定人の「断定」に、証拠価値はありません。
受任したあとも同じです。調べた結果、材料が結論を支えるに足りなければ、「判定不能」を結論としてお伝えします。当研究所の結論は「同一人」「別人」「判定不能」の三つで、判定不能はそのうちの一つとして、あらかじめ用意してある正規の結論です。
完全定額制・完全後払い
追加資料・特殊機器検査による追加料金は一切いただきません。鑑定精度が料金で変わるものは、鑑定ではないからです。費用は完全後払いで、先に費用をいただくことはありません。鑑定書の内容(論理と根拠)にご納得いただけない場合、料金は不要です。ご納得いただく対象は論理と根拠であって、結論がご希望に沿うかどうかではありません。
「有名そう」「テレビで見たことがある」「公的に見える」「裁判所から依頼を受けたことがある」「取扱件数が多い」「検索上位だから安心」――依頼先を選ぶとき、人はこうした表示で判断してしまいがちです。しかしそのどれも、その鑑定人が検証に耐える鑑定書を書けるかどうかとは関係がありません。そもそも筆跡鑑定には、鑑定人の腕前を測る仕組みがありません。医師にも技師にも技能を確かめる制度がありますが、この分野にはそれが無いため、年数も件数も肩書きも、鑑定の中身を示すものにはならないのです。依頼する前に何を確かめればよいのかを、実務の観点から整理しました。
「筆跡鑑定は重視しない」――法廷でそう明言した裁判官がいます。なぜそう言われるようになったのか、そして検証可能な鑑定はなぜその評価の外にあるのか――経緯と法廷での実例を公開しています。
コラム:「筆跡鑑定は弱い」という固定観念は、どこから生まれたのか →
なお、この分野に検証を求める動きは、海外では公に起きています。米国では2009年に、筆跡を含む法科学の手法について、検証を経ていないことが国の報告書で指摘されました。日本にその要求がないのは、批判に耐えたからではありません。
そして、同じことが現に起きています。2026年6月、DNA鑑定の不正が643件中239件と数え上げられ、報道されました。筆跡鑑定で同じ規模の話が出てこないのは、正確だからではありません。外れた者を数える仕組みが無いからです。
「AIで鑑定します」という表示が増えています。しかし、作業が速くなることは鑑定の質には何も足しません。現在、当研究所がAIを用いる中心は二つです。一つは監査役——鑑定人が一人では持てない、自分の判断を崩しにかかる機能を持つため。もう一つは研究——筆跡鑑定は科学の分野であり、査読を経た研究の知見に前提を突き合わせなければ、手法は更新されないからです。このほか、鑑定人の観察・判断・結論を文書にまとめる作業も補助させています。現在、真偽の判定をAIが行うことはありません。AIに担わせる範囲は四つのフェーズに分けて考えており、いずれのフェーズでも、指摘箇所の選定と最終的な判断は鑑定人が行います。他の鑑定所の表示をご覧になるときは、「AIを、何に使っていますか」とお尋ねください。作業を速くするためだけであれば、依頼される方が受け取るのは納品の早さだけです。
「退けられない鑑定」を、実証で積み上げています。BSHAM®の前提――どの書き手にも反復する筆跡個性があること、その位置が人ごとに違うこと、揺らぎと筆跡個性が分離できること――を、母数をつけた実データで検証した記録を公開しています。確かめているのは鑑定結果の正しさではありません。筆跡の真偽を知るのは書いた本人だけで、結果を後から答え合わせする手段はそもそも存在しないからです。検証の対象は、方法が拠って立つ前提のほうです。
弁護士・法務担当者の方へ
高度な筆跡鑑定案件では、「同一・不同一」の結論だけでなく、反論構造・証拠価値・反対尋問耐性まで含めた戦略設計が重要になります。当研究所では弁護士本人との直接協議を重視し、どの特徴が反復しているのか、どの特徴が成立困難なのか、なぜ偶然では説明困難なのか、という構造説明を法廷で使える形に整理してお渡しします。
反対尋問・準備書面・鑑定弾劾に使用できる実務用資料(反対尋問 想定問答集、監査チェックシート、検討過程整理用テンプレート)も提供しています。
相手方の筆跡鑑定書に対する求釈明・尋問の要点は、そのまま準備書面・求釈明申立書・尋問事項書へ引き写していただける形で公開しています。無償で、出典の表示も不要です。求釈明・尋問の要点(PDF・A4 2枚) →
まずは、鑑定できる案件かどうかをお答えします。
資料が整っていれば、初期監査で勝算の見通しをお伝えできます。JR橋本駅北口より徒歩2分。対面相談は1時間まで無料(要予約)です。
042-714-7747