🛑 【司法の崩壊を招く構造的欠陥】従来の鑑定法はなぜ「偽造者の道具」と化すのか?—鑑定人・二瓶淳一からの告発

所長コラム

私は、トラスト筆跡鑑定研究所の二瓶淳一です。私が従来の鑑定法を批判し、その終焉を訴える最も重大な理由は、その手法が偽造者にとって極めて都合の良い、構造的欠陥を持っているからです。

これは、単なる技術的な問題ではなく、司法の公正性と依頼者の人権を脅かす、倫理的にも許されない状況です。


1. 偽造者を利する従来の鑑定法の構造

従来の鑑定法、特に「表面的な形状」や「ノイズの計測」に頼る数値解析法は、その弱点ゆえに、偽造行為を助長する構造を持っています。

A. 脆弱性①:偽造者がターゲットとする「形」の重視

従来の鑑定法は、筆跡の「目に見える形」に焦点を置きます。偽造者は、この弱点を逆手に取ります。

  • 模倣の容易性: 偽造者は、鑑定対象となる「線の長さ」や「文字の大きさ」といった表面的な、静的な特徴容易に模倣できます 。
  • 鑑定の無力化: 偽造者が似せて書くという基本原理を無視しているため、鑑定の結論は偽造者の技量に左右されるという問題が生じます 。

B. 脆弱性②:統計的破綻(ノイズと閾値の不透明性)の悪用

前回の記事で解説した通り、従来の鑑定法は「30個の壁」の崩壊や「閾値設定の不透明性」という、統計的根拠の破綻を抱えています

  • 変動幅の悪用: 従来の鑑定法では、サンプル不足により筆跡の「個人内変動幅」(ゆらぎ)の分析が統計的根拠を完全に失います 。
  • 偽造行為の「合法化」: 偽造者は、この真筆者の広い変動幅の中に容易に収まってしまう可能性が高く、その結果、偽造筆跡が真筆であると誤認される問題が生じます 。

2. 倫理的・実務上の最悪のシナリオ

この構造的欠陥が、裁判実務において極めて深刻な倫理的問題を引き起こします。

🚨 最悪のシナリオ: 巧みに模倣失跡を書ける輩が、筆跡鑑定書をこのような業者に委託して、真筆であるという鑑定書を作らせることが可能だからです。

  1. 鑑定書作成の委託: 偽造行為に加担したい者は、自らの模倣筆跡が、従来の鑑定法が設定した根拠不明な「閾値」の中に収まるように調整し、その手法を採る鑑定人に鑑定を依頼します。
  2. 真筆の「証明」: その結果、根拠が破綻した鑑定書が「この偽造筆跡は真筆である」と結論付けてしまい、裁判所に証拠として提出されてしまいます。
  3. 司法の信頼崩壊: これは、単なる鑑定の失敗ではありません。偽造行為が、鑑定人の権威と「見せかけの科学」によって法廷で「真実」として通用してしまうことを意味し、司法制度の信頼性を根底から崩壊させます。

3. 依頼者への警告:あなたの鑑定書は本当に公正か?

現在、検索順位が高い鑑定業者の多くが、この構造的欠陥を抱える手法を採っています。彼らは「裁判所から依頼が来る」「科学的だ」などと権威付けを行い、実鑑定がこれまで暴露されなかったことをいいように、見せかけの科学で依頼人を集めています。

私は、従来の鑑定法が「なぜ筆者識別が行えないか」を理論的に体系づけた鑑定人として、以下の警鐘を鳴らします。

あなたの依頼した鑑定書が、論理的根拠の破綻により、実は相手方の偽造行為を助長する結果になっているかもしれません。

鑑定を依頼する際は、鑑定法が、偽造者の意識的な介入では変えられない「無意識の運動の痕跡」を検出する科学的体系に基づいているか、そしてその論理的防御線が統計学的に確立されているかを、厳しく確認してください。

【筆跡鑑定の「不都合な真実」を知りたい方へ】

本記事でも触れた、法廷における筆跡鑑定の証拠価値が著しく低い現実や、科学的根拠のない「でたらめな鑑定」が業界に横行している実態については、拙著『筆跡鑑定をダメにした知ったかぶりの輩たち』にて詳細に告発しています。
なぜ従来の鑑定法が裁判で通用しないのか、その構造的な闇と実務の実情を知りたい方は、本書をご参照ください。

Amazonで詳細を見る

所長コラム

【業界の不正を断つ、科学的根拠】

鑑定業界の倫理的課題と、それを根本から解決する当所の「脳科学的筆跡鑑定法(BSHAM™)」の論理的・統計的根拠は、こちらの専門ページで詳しく公開しています。

科学的証明・研究報告ページはこちら