裁判所の壁:なぜ正しい筆跡鑑定書が「信用できない」とされるのか?

所長コラム

筆跡鑑定を巡る裁判で、あなたが「明らかに偽造だ」と確信し、科学的根拠に基づいた鑑定書を提出しても、結果が覆らないケースがあるのはなぜでしょうか?

その原因は、一部の鑑定人が提出する「論理的欠陥を抱えた鑑定書」が、あなたの提出する「正しい鑑定書」と並列に扱われ、結果として「双方の意見が異なり信用できない」と判断されてしまう、司法の構造的な問題にあります。

この不公平な現実と、あなたの鑑定書がその壁を突破できる理由を解説します。


1. 鑑定業界が招いた「信頼性の危機」

一部の鑑定書に存在する「論理的な自己矛盾」は、鑑定業界全体に対する信頼性を著しく低下させています。

  • 問題の構造: 一部の鑑定書は、鑑定理論として「偽造を見抜くには類似分析は危険だ」と謳いながら、実際の鑑定(各論)では、その類似分析そのものを根拠とする「理論と実務の矛盾」を抱えています。
  • 司法の壁: このような鑑定書が存在するため、裁判官は「どうせ双方とも依頼人に有利な鑑定結果を出しているのだろう」という強い先入観を持ち、あなたの提出する論理的に正しい鑑定書も、その「信用できない鑑定書」と同一視してしまうのです。
  • 不公平な現実: あなたの鑑定書が持つ科学的・論理的な妥当性が、業界全体の信頼性の低さによってかき消され、その価値が正しく評価されないという、不当な状況が生じています。

2. 裁判所の壁を突破する「2つの戦略」

あなたの鑑定書が「信用できない鑑定書」と一線を画し、その正当性を確立するためには、単に鑑定結果が正しいというだけでなく、鑑定書自体が司法の論理に適合し、客観的な裏付けを持つ必要があります。

戦略1:論理の破綻を突く「カウンター鑑定」

あなたの鑑定書は、「偽造を見抜く真の科学的根拠」を示すだけでなく、相手方鑑定書の論理的な構造的欠陥を明確に指摘することで、相手方鑑定書を証拠の土俵から排除する役割を果たします。

  • 鑑定書の武器: 鑑定書が「類似分析」に依存している点を指摘し、「偽造者の腕前に結果が左右される本質的な脆弱性」を法廷で可視化します。
  • 公的な裏付けの活用: 高等裁判所の判例(仙台高裁など)が、このような鑑定書の論理的矛盾を既に公的に指摘している事実を引用し、あなたの主張の正当性を司法の権威によって裏付けます。

戦略2:「無意識の筆跡個性」による科学的証明

あなたの鑑定手法が、他の鑑定手法と一線を画すのは、無意識の運動の記憶に基づく「筆跡個性」を科学的に証明している点です。

  • 科学の優位性: 筆跡の形(字面)ではなく、偽造が極めて困難な「無意識の運動の軌跡」を分析することで、「似ている」という主観的な要素に依存しない客観的な証明を法廷にもたらします。
  • 判断材料の提供: 裁判官は、あなたの鑑定書を通じて、「なぜこの鑑定書は信用でき、他方の鑑定書は信用できないのか」という、鑑定書間の優劣を判断するための明確な科学的基準を得ることができます。

あなたの鑑定書は、「論理的欠陥のない鑑定書」としてだけでなく、「業界全体の不誠実さを浮き彫りにするカウンターツール」として機能することで、司法の壁を突破する強力な武器となるのです。

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