序章:筆跡鑑定のプロが犯す「原理原則」の誤認
筆跡鑑定のプロを名乗りながら、その鑑定の本質的な原則すら理解できていない鑑定人が、この業界の信頼を根底から腐敗させています。彼らが犯す最大の過ちは、「偽造の可能性」を前提としない、あまりにも杜撰で時代遅れな手法に固執することです。
鑑定の本質を知らない鑑定人が、いかに根本的な原則を冒涜しているか。そして、なぜ裁判所がその鑑定人と私を同列に見るのかという、この業界の理不尽極まりない構造を断罪します。
1. ⚔️ 鑑定原則の根本的な誤認:偽造の有無による分断
鑑定の世界には、「人の手を加えられない媒体」と「手を加えられる媒体」で、明確に異なる鑑定原則が存在します。この基本原則を理解せずして、鑑定は成り立ちません。
| 媒体の種類 | 例 | 鑑定原則 |
| 手を加えられない媒体 | 指紋、DNA、血液など | 原則、同一箇所を精緻に合致させることに重点を置く。 |
| 人の手を加えられる媒体 | 筆跡、有価証券、ブランド品など | 偽造の可能性を前提とし、相違箇所を精緻に鑑定することが重要。 |
筆跡鑑定は、紛れもなく後者です。 筆跡は、人の手を加えて偽造を行うことが可能です。
❌ 「一致箇所」を数える鑑定の愚行
にもかかわらず、従来の鑑定人の多くは、鑑定の本質的な原則を無視し、「一致箇所」を堂々と列挙する杜撰な手法に固執しています。なぜなら、その一致が「本物である故の一致」なのか、「偽造されたことによる作為的な一致」なのかを区別できないからです。
この基本的な鑑定原則すら理解できていない現状は、看過できません。ブランド品の鑑定人が相違箇所に焦点を当てるのと同様に、筆跡鑑定も偽造のリスクを前提とし、相違箇所を精緻に鑑定することこそが、論理的防御線を築く唯一の道なのです。
2. 🧠 鑑定の本質を冒涜する「ノイズ」の混同
鑑定の本質を理解できていない鑑定人が犯す、もう一つの致命的な過ちは、筆跡個性の発生源を間違えていることにあります。
- 鑑定の焦点の誤り: 鑑定の本質は、意識的な介入では変えられない「無意識の運動プログラム(脳)」の痕跡を検出することにあるにもかかわらず、従来の鑑定人は、目に見える「形(手)」に執着しています 。
- ノイズの計測: その結果、体調や姿勢による一時的な変動である「ノイズ」と、筆者固有の「純粋な個性」の違いを認識できず、偽造者が簡単に模倣できる表面的な特徴を「一致」として数え上げています 。ノイズを計測しても、鑑定結果に科学的な意味は生まれません 。
- 統計的根拠の崩壊: 筆跡の変動幅を正確に特定するために必要な統計学的な最低限のサンプル数(30個以上)に対し、実際の鑑定実務ではわずか数個しか集まりません 。このデータ不足は、ノイズを恒常的なものと誤認するリスクを極めて高くするという、深刻な問題を引き起こします 。
3. 😡 腐敗した構造の連鎖:裁判所の指名という理不尽
鑑定の本質的な原則すら理解できず、「一致箇所を数える」という手法で鑑定を行っている鑑定人と、裁判所が同列に私を見ているという事実は、非常に腹立たしいものです。
- 権威の悪用: 裁判所が指名するという行為は、その鑑定の科学的信頼性を担保するものではありません。それにもかかわらず、裁判所の指名という権威が、その鑑定人の広告として利用され、論理が崩壊した鑑定法を温存させる腐敗した構造を生んでいます。
鑑定の本質を冒涜し、偽造のリスクを前提としない鑑定手法に依存し続ける限り、この業界が人の人生を左右する責任を負うことはできません。この腐り切った業界は、一度ぶっ壊すしかありません。


