「依頼者に寄り添う」とは? 筆跡鑑定における「寄り添い」の真意

所長コラム

ある東京の筆跡鑑定業者のウェブサイトに、次のような記述がありました。

以前、同業他社が依頼人に寄り添う事を第一にと謳っているのをみたことがありますが、依頼者の意向に添って真偽鑑定をしていたのでは、筆跡鑑定というものを根底から否定する事になるでしょう。

この記述は、「あなたに寄り添う」ことを第一に掲げる当研究所にとって、看過できないものです。なぜなら、彼らは「寄り添う」という言葉の意味を全く理解しておらず、私の「寄り添う」姿勢を根底から誤解しているからです。


「寄り添う」と「意向に沿う」は全く異なる

このような文脈すら理解できない国語力の鑑定人が後を絶たないことに、私は疑問を感じずにはいられません。彼らは、当研究所の掲げる「依頼者に寄り添う」という言葉を、「依頼者の意向に沿って真偽鑑定を行う」という、極めて短絡的な意味に捉えているようです。

しかし、これは全くの誤解です。当研究所のウェブサイトには、次のような記述があります。

  • 筆跡鑑定の信憑性が低下しています。このため、筆跡鑑定によって苦しむ人が増え続けています。筆者識別ができない鑑定法が主流となっていることがその原因です。なんとしても、これを阻止しなければなりません。筆跡鑑定の証明力が高いことを発信続け、善人の皆様の勝訴に貢献できますよう一緒に闘ってまいります。
  • 偽造筆跡は『直ちに偽造』と判断できること、そして偽造者の片棒を担ぐ気はさらさらありませんので偽装者からの依頼は断固お断りいたします。
  • 証人出廷は無料です。これまで、米国カリフォルニア裁判所をはじめ、広島高裁、東京地裁等、全国の裁判所において証人出廷をいたしました。多くの鑑定人は、証人出廷に後ろ向きです。というのも、相手方の弁護士や裁判官から予期せぬ質問が飛んでくるから怖くて仕方ないようです。当職はどんな質問にも動じず淡々と答える自信があります。筆跡鑑定について法廷で話せるとなれば、依頼人にとって有利となるはずです。

これらの文脈から、「依頼者の意向に沿って真偽鑑定をしていたのでは、筆跡鑑定というものを根底から否定することになる」と読み取れるでしょうか? いいえ、断じてそうではありません。

私たちの言う「依頼者に寄り添う」とは、依頼者の要望通りに鑑定結果を出すことでは決してありません。


「寄り添う」とは「真実を追求し、依頼者の正当な権利を守るために共に闘う」こと

私たちが考える「寄り添う」とは、

  • 鑑定のプロとして、いかなる場合も科学的根拠に基づいた真実を追求し、正確な鑑定結果を出すこと。
  • 筆跡鑑定によって不当な状況に置かれた善良な依頼人の方々の正当な権利を守るため、共に闘うこと。
  • 複雑な鑑定内容を分かりやすく説明し、法廷での証人出廷も含め、依頼人にとって最も有利な形で鑑定結果を提示すること。

を意味します。

彼らのような鑑定人は、このように稚拙な感性であるがゆえに、たとえ似せて書かれた筆跡であっても、筆跡の類似性だけで判断する自身の鑑定手法に疑問すら抱かないのでしょう。しかも、自分は鑑定ができると思い込んでいるのですから、どうしようもありません。公開試験にも参加できないようでは、その実力は言うまでもありません。

残念ながら、多くの筆跡鑑定人には、鑑定能力のみならず、基本的な国語力にすら疑問符がつく者が少なくないのが現状です。これは非常に迷惑な話であり、業界全体の信用問題にも関わります。


筆跡鑑定に関するご不明な点や、真実に基づいた鑑定をお求めの方は、ぜひ一度当研究所にご相談ください。

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本記事でも触れた、法廷における筆跡鑑定の証拠価値が著しく低い現実や、科学的根拠のない「でたらめな鑑定」が業界に横行している実態については、拙著『筆跡鑑定をダメにした知ったかぶりの輩たち』にて詳細に告発しています。
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所長コラム

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