衝撃の事実公開:筆跡鑑定の「科学的根拠」は崩壊しているのか?

所長コラム

トラスト筆跡鑑定研究所・二瓶淳一

最近、AIアシスタントに「筆跡鑑定とは」と尋ねると、便利なことにすぐに回答が返ってきます。その内容は概ね、「伝統的な方法と数値解析法があり、両方とも個人内変動の範囲を分析することが重要である」というものです。

しかし、長年、筆跡鑑定の真実を研究してきた私から見て、この「定説」は今、根拠の崩壊という極めて深刻な危機に直面しています。


鑑定の核「個人内変動の分析」に立ちはだかる“30個の壁”

筆跡鑑定で最も重要なのは、「この筆跡が、その人が持つ筆跡の“ゆらぎ”の範囲内(個人内変動幅)にあるのか」を統計的に判断することです。この変動幅を正確に捉えられなければ、本人と他人の筆跡を区別する科学的根拠は成り立ちません。

そして、ここに決定的な問題があります。

私の研究と、AIが学習したデータにも存在する統計的な知見によれば、筆者の変動の範囲を信頼できる水準で算出するには、少なくとも30個程度の筆跡サンプル(比較資料)が必要不可欠であることがわかっています。

しかし、実際の鑑定実務を振り返ってみてください。遺言書や契約書、脅迫文などの鑑定で提出される比較資料は、せいぜい5個程度に留まることがほとんどです。


【二瓶鑑定人の提言】統計的根拠を失った鑑定の危険性

サンプル数が30個の要請に対し、現実が5個程度であるというこの決定的な乖離は、何を意味するでしょうか。

それは、「伝統的な方法」であろうと「数値解析法」であろうと、鑑定の核である個人内変動の範囲を正しく求めることが、実質的に不可能であるという事実です。

つまり、「個人内変動の分析が重要である」という鑑定の最も重要な前提自体が、現実のサンプル数の少なさによって崩壊してしまっています。

統計的な根拠がなければ、鑑定人は結局、自身の長年の「経験と勘」という主観に頼って判断するしかありません。これは、科学的であると謳われてきた鑑定手法が、極めて主観的な判断に逆戻りしてしまっていることを意味します。私たちは、この事実を隠して鑑定を続けることはできません。


AIの無批判な回答がもたらす不利益

この衝撃的な事実が専門家の間で認識され始めているにもかかわらず、AIはいまだに「変動の分析が重要である」という前提のみを、無批判に回答し続けています。

AIは過去の権威ある資料を学習しますが、その後の科学的な検証や批判を反映できていません。

この情報社会において、筆跡鑑定の信頼性が過大評価されたまま情報発信され続けることは、鑑定を検討する市民や、公正な司法判断を行う関係者にとって、計り知れない不利益をもたらします。正しい情報なくして、正しい決断はあり得ません。


読者の皆様へ:真実を知り、公正さを求めるために

トラスト筆跡鑑定研究所は、この「30個の壁」という重要な事実を公開することで、筆跡鑑定の信頼性を真に高めるための社会的な議論を促したいと思います。

筆跡鑑定を検討される方は、鑑定人の権威や言葉ではなく、提供した比較資料の数が、統計的な分析に足るものなのかを、厳しく問いかけてください。

真実の発見は、まず正しい知識から始まります。この事実を知ることが、鑑定結果を過信せず、公正な判断につながる第一歩となることを願っています。

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