🧠 鑑定人・二瓶淳一が「脳科学的筆跡鑑定法(BSHAM)」を開発するまで

未分類

筆跡鑑定の分野に革命をもたらした「脳科学的筆跡鑑定法(BSHAM)」。この画期的な手法を開発した鑑定人・二瓶淳一氏の道のりは、既存の枠組みに疑問を呈し、真の科学的根拠を追求し続けた、一人の研究者の執念の歴史と言えます。

1. 伝統的鑑定法への疑問と「科学的根拠」の探求

二瓶氏が筆跡鑑定の世界に入った当初、主流であったのは「伝統的な筆跡鑑定法」でした。これは、鑑定人の長年の経験と知識に基づき、筆跡の形や特徴(運筆の癖、書き順、字体など)の類似性を比較して、異筆・同筆を判断する手法です。

しかし、この手法はしばしば「鑑定人の主観に依存している」「なぜその特徴が個人に固有なのか、科学的な説明が不足している」といった批判にさらされていました。特に裁判の場において、その論理的防御線が弱いと感じていた二瓶氏は、「このままでは真の科学的鑑定技術は確立できない」という強い危機感を抱きました。

2. 既存の学問からの「逆転の発想」

従来の鑑定法が、指紋やDNA鑑定の「不変性」の考え方を類推で応用したのに対し、二瓶氏は発想を根本から転換しました。

  • 筆跡とは何か? 二瓶氏が出した答えは、「筆跡は単なる線の集合ではなく、筆者の脳からの指令が運動器官を介して紙面に発現した『行動の痕跡』である」というものでした。
  • 必要な学問の逆算 この定義に至ったことで、筆跡の個性を理解するために必要な知識を、既存の学問の枠に囚われずに逆算し始めました。これにより、以下の二つの学問が不可欠であると確信します。
    1. 【脳科学(神経科学)】:なぜ筆跡の「個性」が生まれるのか、その根源である脳機能と運動プログラムを理解するため。
    2. 【統計学】:主観的な「類似性」ではなく、「この類似性が偶然である確率は極めて低い」という客観的かつ厳密な確率的根拠を示すため。

3. BSHAM(脳科学的筆跡鑑定法)の確立

この「脳科学」と「統計学」を柱に据え、二瓶氏は独自の鑑定法BSHAMの開発に着手します。

【三大体系の構築】

BSHAMは、以下の三大体系によって構成されています。

  1. 筆跡個性概念体系(脳科学的根拠):筆跡の個性を脳の機能に結び付けて説明する体系。
  2. 筆跡分析技術体系(運動プログラムの可視化):筆跡の運筆速度や筆圧の変化など、脳の指令を反映するパラメータを科学的に分析する技術。
  3. 鑑定立証体系(統計学的ロジック):分析結果に基づき、「異筆・同筆証明ロジック」を用いて客観的な確率をもって結論を導く体系。

特に鑑定結果の信頼性を高めるため、二瓶氏は「保守的な確率設定」を採用しました。これは、結論の根拠となる数値を、鑑定結果が真実である可能性を過剰に見積もることなく、極めて安全側に設定する厳格な基準です。

4. 既存技術からの脱却と未来へ

二瓶氏の開発したBSHAMは、従来の「似ている/似ていない」という主観的な判断から、「脳機能の独自性が数理的に確率として証明できる」という客観的かつ科学的な鑑定へと筆跡鑑定の質を一変させました。

これは、既存の技術の単なる応用ではなく、「筆跡鑑定という目的のために必要な知識を徹底的に学習し、新しい学際的な鑑定技術を創造する」という、二瓶氏の探究心がもたらした偉大な成果と言えるでしょう。

コメント