はじめに:命に関わる「エビデンスなき推奨」
最近、SNSやネット上で話題になっている、吉野敏明氏らが提唱する「4毒抜き(小麦などを完全に抜く)」という食事療法をご存知でしょうか。 がんという深刻な病気に対し、こうした極端な食事制限を行うことについて、多くの腫瘍内科医や栄養学の専門家からは、「がん患者さんに必要な体力を奪い、悪液質(あくえきしつ)を進行させるリスクがある」として、強い懸念が示されています。
専門分野が異なるとはいえ医師免許を持つ人物やインフルエンサーが、標準治療を否定し、エビデンスの確立していない独自療法を推奨する。 実はこの構図、私が身を置く筆跡鑑定の世界で起きている問題と、恐ろしいほど似ているのです。
今回は、医療における「エビデンス問題」を他山の石とし、筆跡鑑定において「私(=依頼人であるあなた)」が身を守るための知恵をお話しします。
1. 「専門家」の肩書きが思考を停止させる
もし、がん患者である「私」が、医師という肩書きを持つ人から「これを食べなければ治る」と断言されたらどうでしょう。わらにもすがる思いで信じてしまうのは無理もありません。これを心理学で「ハロー効果(後光効果)」と呼びます。
筆跡鑑定も全く同じです。 遺言書の偽造や契約書のサインでトラブルになり、不安に押しつぶされそうな「私」の目の前に、「鑑定歴30年のベテラン」が現れ、「私の長年の勘では、これは偽造だ」と断言する。
そこに科学的な根拠やデータが示されていなくても、「先生がそう言うなら間違いない」と信じてしまう。 これが、医療でも鑑定でも、被害を拡大させる最大の落とし穴です。
2. エビデンスなき鑑定が招く「社会的悪液質」
がん治療において、エビデンスのない食事療法で栄養状態が悪化し、「悪液質」となって寿命を縮めてしまうリスクがあるように、 根拠のない筆跡鑑定書を裁判に出すことは、「私」の社会的生命や財産を枯渇させます。
従来の筆跡鑑定業界では、長らく「鑑定人の勘と経験(KKD)」がまかり通ってきました。 「ハネの勢いが似ている」「なんとなく雰囲気が違う」……。 しかし、そんな主観だけの鑑定書は、相手方の弁護士から論理的に攻め込まれれば、あっという間に紙切れ同然になります。
その結果待っているのは、**敗訴による財産の喪失や、汚名を着せられるという「社会的な死」**です。 根拠のない専門家を信じた結果、取り返しのつかないダメージを負うのは、いつだって「私(依頼人)」なのです。
3. 筆跡鑑定における「標準治療」=BSHAM(脳科学的筆跡鑑定法)
現代医療に、多くのデータに基づいた信頼できる「標準治療」があるように、筆跡鑑定にも科学的根拠に基づいたメソッドが必要です。 それが、私が提供するBSHAM(脳科学的筆跡鑑定法)です。
BSHAMは、鑑定人の「勘」を一切排除し、以下の脳科学に基づいた三大体系で筆跡を解析します。
- 視覚(Visual): その文字を脳がどう認識したか
- 運動(Motor): 指先や腕の筋肉がどう動いたか
- 記憶(Memory): 脳内の文字情報がどう出力されたか
私たちは、「なんとなく」で黒白をつけることは絶対にしません。 **「異筆・同筆証明ロジック」**に基づき、誰が検証しても同じ結果になる客観的事実だけを積み上げます。
そして何より重要なのが、医学の検査データと同様に行う**「保守的な確率設定」です。 たとえ99%クロだと思われても、1%の不確定要素があれば断定を避ける。この堅実な論理的防御線**こそが、裁判という戦場で「私」を守る最強の盾となります。
結び:「私」を守るのは、感情ではなく論理
「4毒抜き」のような極端な説を信じて標準治療を遠ざけることが命のリスクになるように、 「ベテランの勘」を信じて科学的な鑑定を軽視することは、裁判での致命傷になります。
今、トラブルの渦中にいる「私」が選ぶべきは、耳障りの良い奇跡や、根拠のない断言ではありません。 たとえ冷徹に見えても、事実とデータに基づき、裁判官という第三者を納得させられる**「論理という武器」**です。
あなたの人生(寿命・財産)を守るために、どうか「エビデンス」のある選択をしてください。



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