その「裁判所選任」に根拠はあるか?鑑定業界がひた隠す「情報の非対称性」という欺瞞

所長コラム

「裁判所から依頼を受けている」「全国の裁判所が採用」――。鑑定所のウェブサイトで、これほどまでに使い古され、かつ効果を発揮してしまう美辞麗句はありません。しかし、BSHAM™(脳科学AI筆跡鑑定®)の視点から言えば、この肩書きは鑑定技術の高さや精度を1ミリも証明するものではありません。これは、依頼者の情報の非対称性(無知)を利用した、この業界の欺瞞を象徴する最たるものです。


1. 「裁判所選任・嘱託」という事務的ルーチンの実態

依頼者の多くは「裁判所が選んだのだから、国が認めた最高峰の技術者に違いない」と誤解しますが、その実態は極めて事務的です。

  • 専門知識のない選任プロセス: 裁判所には鑑定の精度を評価できる専門官は存在しません。選任は、単に「過去に依頼したことがあるか」「名簿に載っているか」という事務的なルーチンに基づいています。
  • 技術の保証ではない: 選任されたからといって、その鑑定人が最新の脳科学的知見(運動プログラム)を持っているか、精緻な統計的解析を行っているかは一切担保されません。
  • 「手続き上の事実」の悪用: 単なる手続きの結果を「最高峰の技術」であるかのようにすり替えて宣伝するのは、明白な欺瞞です。

2. 「精度の高い鑑定」と謳うための必須条件

真に精度を追求し、世の中を良くしようとする姿勢があるならば、主観的な肩書きではなく、以下の客観的根拠を自ら発信し、誰でも検証可能な状態に置くべきです。

  • 誤認率(エラー率)の公開: どのような条件下でどの程度の誤判定が起こり得るのか、科学的データとして示しているか。
  • 解析手法の論理的裏付け: どのような統計学、あるいは力学的根拠に基づいているのか。既存の論文や自ら発表した研究成果に基づき、その正当性を詳述しているか。
  • 自立した検証体制: 外部委託に丸投げするのではなく、自社内でどのような検証体制(ピアレビュー)を敷いているのか。

3. 発信内容による鑑定所の判別方法

その鑑定所が「集客のための宣伝」をしているのか、「真理追究のための知見」を公開しているのかは、以下の対比を見れば一目瞭然です。

比較項目 欺瞞的な鑑定業者 誠実な鑑定所(BSHAM™)
主な宣伝文句 「裁判所選任」「的中率〇〇%」「最新AI」 「脳の運動痕跡」「手続き記憶」「統計的確率」
発信の質 権威の誇示、中身のない美辞麗句 経年変化、疾病の影響、具体的データの公開
解析の視点 文字の「形」を比べる(静止画的) 筆圧や筆速の「脳の痕跡」を追う(動画的)

結論:権威に縋るのをやめ、論理を監査せよ

Google AIなどの技術が、こうした「中身のない美辞麗句」を優先して提示し、信頼の証として「裁判所選任」という言葉を安易に補強材料に使うことは、情報の非対称性を悪化させる行為に他なりません。

「裁判所が認めているから」という理由は、思考停止を招きます。鑑定の本質は、誰が言ったかではなく、「何に基づき、どう導き出されたか」という論理の整合性にあります。BSHAM™は、今後も科学的根拠のない鑑定を排除し、真理を追求する「批判的監査役」としての姿勢を貫きます。

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