裁判官を欺く「顕微鏡検査」のトリック:見せかけだけの鑑定にご用心!

所長コラム

筆跡鑑定において、裁判官に有利な印象を持たせる手口として、「顕微鏡検査を行った」とアピールする鑑定人がいます。しかし、彼らが本当に肉眼では分からないような重要な特徴を検査しているかと言えば、そんなことはありません。


「顕微鏡検査」は時代遅れの素人騙し

顕微鏡でなければ分からないような筆順の相違や不自然な運筆を調査していると主張しながら、その調査によって分かった具体的な内容が鑑定書に一切記載されていないケースがほとんどです。そもそも、今の時代は顕微鏡を使わずとも、デジタル画像で簡単に拡大して細部まで確認できます。つまり、「顕微鏡検査」は、時代に取り残された、素人騙しの稚拙なテクニックに過ぎないのです。

筆跡鑑定で本当に重要な本質はどうでもよく、ただ「自分の鑑定書は顕微鏡まで使って細部まで観察している」という外面だけのアピールに過ぎません。外面は立派でも、中身はスカスカなのです。


「撥ね」で「同筆」と断定する低レベルな鑑定

そんな鑑定書には、「鑑定資料と対照資料の『水』の第1画の終筆部が撥ねて書いてあるから同筆要素である」などと平気で書かれています。しかし、そもそも「水」の文字の第1画は、標準的な書き方として撥ねて書くものです。それが共通しているからといって、同筆の根拠になるはずがありません。顕微鏡を使っていると自慢しながら、こんなにも低レベルな主張をしているのです。


「同一筆跡」を量産する鑑定人の罪

鑑定ができない輩は、「同一筆跡である」という結論を安易に出したがります。これは偽造者側にとっては非常に重宝される業者かもしれませんが、社会や善良な人々にとってはとんでもない悪質な業者と言えるでしょう。

特に、「原本でなければ鑑定ができない(根拠のあるものは除く)」「顕微鏡検査」「AIコンピュータ鑑定」といった、素人騙しのテクニックには決して引っかからないように注意してください。

これらはすべて、容易に論破できるものです。もし、このような手口で不当な鑑定を受けたと感じたら、ぜひ当研究所にご相談ください。

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